はじめに
こんにちは。
正月に帰省した際、母が70歳にして株デビューをしようと言いだして1か月以上が経ちました。その間、母名義でSBI証券の口座開設手続きに始まり、NISA口座申し込み、個人情報の入力、証券口座への入金・・・各段階でつまづきつつ、ようやく証券口座に50万円の種銭を入金するに至りました。いよいよ投資を開始できる状態になりました。そろそろ母にも株式投資とは本来どういうことなのか、について伝えないといけないなと考えています。
この記事は、そんな母の様な投資初心者の方向けに、そもそも株式投資とはどう言う行為なのか、株式投資とどの様に向き合えば良いのか、と言うことについて書いています。基本的なことではありますが、株式投資、特に長期投資に対するマインドセットを確立する上で最も重要なことだと考え記事にしました。日々、株価は変動します。その中で、この記事が適切な投資行動をとるヒントになれば幸いです。
株式投資とは
そもそも株式投資とは、どう言うことでしょうか?
端的に言うと、株式投資とは会社の一部を所有する(会社のオーナーになる)行為です。会社の一部を所有するために、資金を投じて株式を取得する訳です。分かりきったことかも知れませんが、これが大原則です。
会社は事業活動を行って売上をあげます。そこから原価や経費、税金等を除いて最終的に残ったものが利益(当期純利益)です。これは株主に帰属します。もう少し詳しく書くと、EPS(1株当たりの当期純利益)×保有株式数の分だけ、株主に帰属することになります。株価も配当も基本的にEPSが上がることで上がります。投資先を判断する場合でも、株価の上下よりもEPSが上がっているか、下がっているかを見るべきです。
長期投資で企業が生み出す利益を享受する
短期で株価の上げ下げを見てトレードして利益を出す手法もありますが、これは投資よりも投機(ギャンブル)に近いと考えています。投機を否定するつもりは毛頭ありませんが、これで結果を出し続けるには相応の知識、センスが必要になります。何故なら、誰かが得すれば、その裏で誰かが損しているからです。これをゼロサムゲームと言います。
一方で、投資はプラスサムゲームと言われます。会社は利益をあげるために存在する機関です。赤字を出さない限り、利益は年々積み上がっていきます。利益の一部が配当として株主に還元され、残りは、やはり株主が所有する会社の資金となり事業継続・成長のために再投資されます。会社が利益を出し続け、この循環がグルグル回ることで利益が利益を生む様になります。これが複利の効果です。そして、その利益は株主に帰属します。会社の利益は株主の利益です。この利益の一部を配当として、あるいは株価の値上がり益として享受するのが投資の本来あるべき形です。
自分が取れるリスクに見合った投資を
会社の利益が株主の利益であるのと同じ様に、会社の損失は株主の損失です。赤字の様に数字として表れる損失もあれば、不祥事による信用の棄損と言う損失もあります。株主は、投資額の範囲内で会社の損失に対して株価の下落と言う形で責任を負います。
ただし、場合によっては投資額以上の損失になることがあります。信用取引(借金をして株を買う)の場合です。株で大損したと言う話は、この信用取引の場合が多いです。再起不能になる場合においては特にそうだと思います。借金をすることで、本来自分が取れる以上のリスクを背負ってしまう訳です。
従って、初心者のうちは余裕資金の範囲内で現物取引をおすすめします。現物取引であっても、最悪の場合、上場廃止になれば株券は紙切れになります。それでも、投資した金額以上の損にはなりませんので、リスクをコントロールしやすいです。リターンを上げるために銘柄研究やテクニカル分析の勉強をすることも大切ですが、初心者のうちはそれ以上にリスクをコントロールすることに重きを置いた方が良いかと思います。
「勝つことよりも市場に居続けることが重要」と言われますが、まさしくその通りです。大きな失敗を避け、長期で市場に居続けるために、自分が取れるリスクの範囲内で投資をすることです。そうすることで、多かれ少なかれ会社が生み出す利益を享受することができると思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。僕は、基本的には高配当株、配当成長株への投資を行っていますが、自分が保有したいビジネスを主な投資対象としています。良いビジネスを長く保有することで会社が出す利益を享受したいですね。
以下まとめです。
まとめ
・株式投資とは、会社の一部を所有する(会社のオーナーになる)行為
・長期投資で会社が生み出す利益を享受するのが投資の本来の形
・自分が取れるリスクに見合った投資をする
以上、最後までご覧頂きありがとうございました。