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【銘柄分析】第6回 アサンテ(6073)

こんにちは。

2021年に入って始めた銘柄分析シリーズ。第6回目は、アサンテ(6073)を取り上げてみたいと思います。読者の皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。

銘柄概要

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アサンテのシンボルマーク

アサンテは、ハウスメンテナンス事業を行う会社です。主力は国内トップのシェアを有する住宅用シロアリ防除です。その他、湿気対策、地震対策、リフォームなどを行っています。

以下の同社資料によるとシロアリ新規防除の潜在需要は4.7兆円。それに対し、大手10社の売上合計が253億円。同社にとっては莫大な開拓可能市場が広がっており、今後もシロアリ防除を柱に経営資源を投入していくとのこと。また、薬剤の有効期間は5年であることから、定期的な需要が見込めるストックビジネスでもあります。個人的に、この様なメンテナンスサービスは好きなビジネスです。

既存住宅を長持ちさせようと言う国策も同社ビジネスを後押ししています。加えて、JAとの広域に亘る提携が同社事業の強みとなっています。地方では特に、JAは知名度・信頼度が高く、これを活用できるのは同社にとって強みです。直近業績はコロナ影響を受けているものの、事業環境は良好と言えます。

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業績

 

売上、営業利益、当期純利益の推移です。2021年3月期はコロナの影響で大きく減収減益の予想になっています。2020年までは、売上は少しずつ増加しています。営業利益、当期純利益は2017年で落ち込んでおり、そこから再び上昇トレンドにあります。下のグラフには出ていませんが、EPSも2017年で一旦落ちているものの2020年までは緩やかに伸びています。成長力はそこまで高くないですが、安定黒字の会社と言えます。

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SBI証券より

 

営業利益率とROEの推移です。先述した通り2021年はコロナ影響で大幅な減収減益なので度外視するとして、営業利益率は12%以上、ROEも12%以上で推移しています。指標的に「稼ぐ力」は問題なく高いと思います。ただ、営業利益率、ROEともに長期的に低下傾向にある点が気がかりです。コロナ禍からの戻りと合わせて、今後の動向に注意が必要かなと思います。

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SBI証券より

 

財務

 

自己資本比率は年々増加してきており、直近5年は70~80%台です。40%以上あれば優良と言われる所、かなりの高水準です。利益剰余金は着実に積み上がっており、有利子負債の額を大きく上回っています(利益剰余金:118億円、有利子負債:7.8億円)。財務は鉄壁です。

キャッシュ・フローの推移です。ここ数年は2015年を除くすべての年で、営業CF>>投資CF、フリーCFが毎年プラスで、現金が積み上がっています。営業CFと投資CFのバランスが非常に良いです。

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SBI証券より  

株主還元

「安定的な配当の維持を基本」とすることを基本方針としています。具体的な数値目標は同社資料から見つけることができませんでした。

配当実績は、会社方針の通り増配トレンドです。コロナ影響で大幅な減益予想の2021年の配当は据え置きの予定。残念ながら、上場以降7期連続の増配が途切れることとなりました。配当性向は88%とかなりの高水準ですが、キャッシュリッチ企業なので大幅減益でも減配は免れました。

株主還元に積極的な銘柄だと考えます。加えて、多少業績が落ちても会社方針を実行できるだけの財務があります。ただ、コロナ影響で大幅減益の21年3月期を度外視しても、配当性向は徐々に増加してきており(40%台なので、まだ心配する程ではありませんが)、今後の動向は注意したい所です。

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アサンテ 2020年3月期決算説明資料より

株主優待

 

優待抜きにしても投資したい銘柄をピックアップしたいので、株主優待は分析対象とはしていませんが、おまけとして記載しておきます。

アサンテの株主優待は、100株保有で1,000円相当の金券(三菱UFJニコスギフトカード)が貰えます。保有株数や保有期間によるグレードアップはありません。権利月は3、9月で年2回、株主優待が貰えます。


株価指標

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株価:1,613円(2021年1月22日終値)
PER:21.2倍
PBR:1.29倍
配当:60円(配当利回り:3.72%)

大幅減益予想なので、PER的には割高です。配当利回りは高水準です。昨年2月に創業者社長が亡くなり、故人が保有していた株式の売り出しなどで株価が急落しましたが、コロナ影響が無くなり業績が戻ると仮定した場合、株価も元の水準に戻ることが期待でき、長期的に見れば今が仕込み時の様にも思います。

 

総評

一見地味なビジネスですが、事業環境としては今後の大きな成長余地が残されていること、コロナ影響を抜きにすると利益率の高いビジネスであることが良い所です。
財務面は盤石です。倒産リスクはかなり低いと言えます。潤沢なキャッシュは有事の際の命綱として、また次の成長投資に使うこともできますね。潤沢なキャッシュを使ってM&Aなどの事業拡大を期待したい所です。
株主還元についても、コロナ影響で連続増配が途切れることになりましたが、積極的だと思います。配当性向の動向には注意が必要ですが、コロナ禍から業績が戻れば更なる増配にも期待が持てる銘柄だと思います。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。

最後までご覧頂き有難うございました。