弱小投資家が経済的自由を目指すブログ

経済的自由を目指すアラフォーサラリーマンが、資産運用・副業に本気で取り組む中で日々考えたことを書いているブログです

持株会のメリット・デメリット

 

はじめに

 この記事では、持株会のメリット・デメリットについて解説します。

お勤め先の会社に持株会の制度がある方向けにはなりますが、入会をご検討中の方のご参考になれば幸いです。

注意点

持株会は会社によって制度が異なるため、この記事の内容が全ての会社にあてはまるものではありません。入会をご検討中の方は、ご自身の会社の規約等をご確認下さい。また、会社への思い入れや愛社精神と言った精神的な部分は切り離して、純粋に資産運用として見た時にどうなのかと言った観点で記事を書いていますので、その点ご了承下さい。

持株会とは

持株会とは、会社が従業員に対して福利厚生の一環として提供している制度です。

従業員が持株会に掛金を拠出、持株会がこれを取りまとめて会社の株式を買い付ける仕組みになっています。従業員にとっては少額から自社の株を保有できる上、会社の業績が良くなる⇒株価が上がる、配当金が増えるといったメリットを享受できるので、仕事のモチベーションアップにも繋がります。従業員のモチベーションが上がること、そして安定株主が増えることは会社にとってもメリットとなるため、掛金の数%を奨励金として出している会社もあります。 

持株会のメリット

持株会のメリットを以下に示します。

  1. 少額から積み立てられる
  2. 配当金を再投資してくれる
  3. 給与天引きで取り組める
  4. 奨励金が出る(会社が多い)
  5. 株式投資(個別株)に慣れることができる

 1~3は、資産運用の王道とも言えるインデックスファンドへの積立投資と同じですね。インデックスファンドは給与天引きではなく証券会社を通して買う必要がありますが、ネット証券で積立設定をすれば、ほぼ同じ形になります(楽天証券であれば、楽天カードで決済できてポイントも貯まりますのでお得に積立てが可能です)。少額から手軽に始められる=始めるまでのハードルが低い点に関しては、インデックスファンドと同じくメリットがあります。

一方、銘柄や国・地域など広く分散投資が可能なインデックスファンドと比較して、1銘柄への集中投資となる持株会のリスクは高くなります。半面、高いリターンを期待できる訳ですが、最終的には会社の成長性や後述するデメリットも踏まえ、リスク/リターンのバランスを見て比較検討する必要があるかと思います。

4、5に関しては、持株会特有のメリットになります。以下に書いていきます。 

奨励金が出る(会社が多い)

 すべてではないと思いますが、会社によっては積立額の数%を奨励金として上乗せしてくれます。上述した様に、持株会は会社にとってもメリットがあるためです。

奨励金の額ですが、だいたい従業員が拠出した金額の10~20%ぐらいを出す会社が多い様に思います。ただし、奨励金がもっと少ない会社、逆に奨励金を50%出す会社もある様です(管理人調べ)。会社によって制度はまちまちなので、もし入会をご検討中の方は、ご自身の会社の持株会規約等をご確認下さい。

株式投資で年率10%のリターンを出し続けるのは簡単ではありません。従って、奨励金が10%以上出るのであれば条件としては悪くないかと思います。なお、前述のインデックスファンドへの積立投資であれば、平均で年率5~7%程度が妥当なラインです。 

株式投資(個別株)に慣れることができる

僕は持株会から投資を始めましたが、このメリットは大きかったと思っています。

株価は値動きがありますが、自分の資産額が日々上がったり下がったりすると言う現象を、少額で実体験することができました。特に、下落局面における精神状態に関しては、実際に体験するのとそうでないのとでは大きな違いがあります。株価の値動きに対して精神的にどの程度許容できるのかを知れたことで、自分に合った資産運用のスタイルを徐々に構築していけたと思っています。

もう一点は、自身のマインドセットに変化があったことです。株主目線で自分の会社を見る様になりました。四半期毎の決算をチェックするようになりましたし、色々と勉強しているうちに決算書を読んで企業分析までできる様になりました。

理系出身で会計の知識はゼロでしたが、株主として投資先(勤め先)の業績は自分ごとなので、自然と興味を持って勉強を進めた感じですね。ゼロから勉強するのは大変でしたが、勤め先の業績や事業内容は当然把握してる訳で、企業分析をする際のモデルケースとしては取っつきやすかったのかなと思います。 

持株会のデメリット

 続いて持株会のデメリットです。

  1. 会社への依存度が高まる
  2. 売却時に制約がある
  3. 株主に通常認められる権利が無い(株主優待、株主総会での議決権)

会社への依存度が高まる

 副業による事業所得や株式等の譲渡所得、配当所得、不動産所得を得ていない場合、会社員の所得のほぼ全部が勤め先からの給与所得になります。この時点で会社への依存度は非常に高い状態と言えます。

このブログでは、会社(給与所得)に依存し過ぎないための1つの選択肢として株式投資を取り上げていますが、資産の一部を勤め先の株式に投じること(持株会)は、それとは逆の行動になってしまいます。

もし、あなたの会社が倒産したらどうなるでしょうか?

そこまで行かなくても、業績が下がって株価下落、給与もカットされるかも知れません。

 極端かも知れませんが、この様な最悪のシナリオも想定しておくべきだと思います。

売却時に制約がある

個別株式や投資信託であれば、基本的にいつでも売買できます。一方で、持株会には売却時に制約がある場合が多いです。

まず、売却時の手続きに時間(数週間~1か月)が掛かります。具体的には会社に申請⇒承認⇒証券口座に株式振替⇒売却のステップを踏むので、半月~1か月ぐらいでしょうか。従って、株価が下落した際、損切りしたいと思ってもすぐには売却できません。それから、保有数量が単元未満の場合です。少額ずつ積み立てられるのは良いのですが、1単元に達していないと売却できません。仮に売却しようとすると、持株会を退会して買い取ってもらうことになります。また、管理人調べでは、持株会の一部引き出しが認められておらず、引き出すときは全額を売却し、そのまま退会になる会社もあると聞きました。さらに、持株会を一度退会すると再加入が認められないケースもあります。

持株会は、個別株と同様に値動きリスクが高い上に、機動的な売買ができないという、流動性リスク(資金が拘束されるリスク)を負うことになります。少額で積み立てていくため、個別株と比較して時間的な分散はできているとは言え、やはり値動きのリスクは大きいです。流動性リスクについては、初心者の意識が向きづらいリスクではあります。確定拠出年金、ジュニアNISA、貯蓄型保険など、折に触れて述べる機会があるかと思いますが、十分に意識されるべきリスクがだと思います。 

株主優待はもらえない

持株会では、配当を受け取ることはできますが、規定の株数に達しても株主優待はもらえません。個人の名義で株式を取得していないためです。従って、株主総会での議決権もありません。大きなデメリットではありませんが、株主優待を期待して持株会に入ろうとしている方はご注意下さい。

因みに、持株会で積立て、規定の単元に達した後、自分名義の証券口座に株式を出庫すれば株主優待の権利が得られます。 

おわりに

いかがでしょうか。個人的には、個別株に投資をしたいけど、知識が無くて一歩を踏み出せない人は持株会から始めてみるのも良いのではないかと思います。持株会は奨励金のメリットばかりに目が行きがちですが、デメリットもあります。これらを総合的に見て、加入の是非を判断して頂ければと思います。

以下まとめです。

・少額で積み立てられる始めやすさ、時間分散の効果はインデックスファンドと同様

・一方で、個別銘柄への集中投資という側面で見ればリスク(値動き)は大きい

・メリットは奨励金がもらえる点、株主目線の視点が養われる点

・デメリットは会社への依存度が高まること、流動性リスク

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

 

僕の資産運用履歴について書いてます。持株会に加入したことがきっかけでした。

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