こんにちは。
僕が投資している(または投資したい)と考えている銘柄を中心に紹介する銘柄分析シリーズ。第14回目の今回は、MCJ(6670)を取り上げてみたいと思います。読者の皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。
銘柄概要
MCJグループ主要子会社 「MCJ_決算説明資料」より
MCJは、BTO(Build to Order)パソコンを製造・販売する総合IT企業です。
BTOとは、いわゆる受注生産で、部品をストックしておき顧客のオーダーに応じて組立て販売するビジネスモデルです。在庫ロスの削減、顧客ニーズへの細やかな対応と言った強みをハイスペックPCに代表されるニッチ市場で活かすことで成長している会社です。
マイナーとも言える東証2部上場の企業になりますが、業績、株価、配当の成長力が高く注目している銘柄です。傘下に国内でPCおよび周辺機器の開発・製造・販売を行う「マウスコンピュータ」、海外でモニタの開発・販売を行う「iiyama」などを擁する持株会社です。マウスコンピュータは乃木坂46のCMで初めて目にされた方も居るかもしれません(僕もその1人です)。
MCJの強み、ビジネスモデルは以下の3つです。
- 一気通貫のバリューチェーンを保有しており迅速な開発、サービスが可能
- ゲーミングPCやクリエイター向けPCと言ったニッチ市場を開拓
- BTO(受注生産)で顧客ニーズ対応、在庫ロス削減で低コスト化
今後、ハイスペックPCがAIやe-スポーツの広がりにより更なる裾野を広げていく期待があり、同社にとっても事業環境としては良好と思います。
業績
売上、営業利益、当期純利益の推移です。MCJは2015年に東証2部に上場していますが、その頃から売上、営業利益、当期純利益いずれも綺麗な右肩上がりで成長トレンドにあります。当期純利益、EPSは年率で13~75%と高い成長が続いています。まさしく成長中と言った感じで良いですね。
MCJの業績推移_SBI証券より
営業利益率とROEの推移です。売上原価率が75%と高いため、営業利益率は一桁台の平凡な数字です。ここは製造業と言う業態だけに仕方ない所でしょうか。ROEはここ5年は17%台と高水準をキープしています。国内の上場企業の平均が8%程度ですから、優秀です。また、こちらも2015年頃から、営業利益率、ROEともに良化傾向にある所もいいと思います。
MCJの収益性_SBI証券より
財務
自己資本比率はここ10年で徐々に増加しており、直近は50%台で推移しています。40%以上あれば優良と言われる所、なかなかの高水準です。
キャッシュ・フローの推移です。ここ数年はフリーCFが安定してプラスで推移しています。やはり2015年以降は安定してキャッシュが積み上がっています。
MCJのキャッシュ・フロー推移_SBI証券より
株主還元
「配当性向30%以上、DOE(ROE×配当性向)4.5%程度」としています。多くの銘柄が配当水準の指標に用いている配当性向は単年の業績(EPS)に左右されますが、DOE(純資産配当率)は単年の業績に左右されず振れ幅の少ない指標と言えます。配当性向を下限で表している所からも、安定的な配当を維持すると言う経営陣の意思が感じられます。
配当実績は21年3月期(予定)で8期連続増配となります。EPSの伸びと同じく年率2ケタ以上の増配率、配当金の額は2016年からの5年間で4.5倍に増えています。素晴らしいです。半面、配当性向は概ね30%で推移していて、まだまだ増配余地を感じさせる水準です。
MCJの配当推移_SBI証券より
株価指標
MCJの株価推移_株探より
株価:990円(2021年4月27日終値)
PER:10.1倍
PBR:1.95倍
配当:29円(配当利回り:2.93%)
PER的には割安です。ミックス係数(PER×PBR)も19.65と割安水準とされる21を割れています。株価の10年チャートは比較的綺麗な右肩上がりと言えるかと思います。配当利回りもまずまずの高水準です。10万円以下で買えますし、打診買いが有効かもしれません。
総評
業績、配当、株価の高成長が続いていて将来的に大きなリターンを期待させてくれる銘柄です。営業利益率は平凡ながらROEは高水準をキープしており、競争力の高いビジネスを持っているものと思われます。
財務面も良好でキャッシュが順調に積み上がってきています。今後はコンテンツ・サービス分野への事業領域の拡大を狙っており、M&A等の成長投資に使いたい所です。とは言え、コロナ禍の間はディフェンス面に重きを置いた事業運営となる様で、成長投資が実現するのはもう少し先になるのかもしれません。
株主還元についても、8期連続の増配を予定しており、素晴らしいです。配当性向も高くないので、今後の増配にも期待が持てる銘柄だと思います。今の増配スピードが継続するならば、今の配当利回りはそこまで意識しなくて良い様に思います。10万円以下で買えるのでコツコツと買い集めていくのは有りかなと思います。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
最後までご覧頂き有難うございました。
関連記事です。
MCJは会社四季報プロ500でピックアップした銘柄です。