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【銘柄分析】第16回 ピックルスコーポレーション(2925)

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ピックルスコーポレーションHPより

 

こんにちは。

銘柄分析シリーズ久々の記事になります。第16回目の今回は、ピックルスコーポレーション(2925)を取り上げてみたいと思います。皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。

はじめに

本シリーズは長期投資に適していると自分が思う銘柄をピックアップして紹介しようと始めたものです。長期投資に適した銘柄の特徴としては、以下の点を考慮しています。

長期投資に適した銘柄の特徴
  • 長期的に業績(売上、利益)が伸びている
  • 長期的に株価が伸びている(10年チャートが右肩上がり
  • 長期的に増配トレンド(減配していない)
  • 稼ぐ力(営業利益率、ROE)が高い、あるいは改善傾向にある
  • 財務(自己資本比率、D/E等)が良い、あるいは改善傾向にある
  • 平常時は営業CF>>投資CF(特に設備投資が少ない)
  • 利益成長率に対してPERが低い
  • 参入障壁が高かったり安定した収益を上げ続けられるビジネスモデル
  • 過去のトレンドが今後も長期的に続きそう 

もちろん、すべてを満たす銘柄は多くないですが、総合的に見て投資対象として適しているかどうかを判断しています。なお、前回までは「割高過ぎない」としていた指標ですが、今回から「利益成長率に対してPERが低い」としました。参考にしたのはダイヤモンド・ザイ2021年7月号のある投資家さんの手法。以下の記事で紹介していますので、よろしければご覧下さい。

www.loveyuyu-dividend.com

 

銘柄概要 

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ピックルスコーポレーションHPより

ピックルスコーポレーションは、お馴染みの「ご飯がススム」をはじめとした漬物の製造・販売および卸売事業を行っています。時価総額は199億円と規模の小さい会社で今後の成長に期待したいですね。意外にも、創業は1970年代と歴史があるんですね。「ご飯がススム キムチ」発売が2009年。それ以降、急成長していますね。最近では見かけなくなりましたが、「ご飯が ご飯が ススム君!」のテレビCMはよく覚えています。

なお、同社の高成長の背景として、全国を網羅した生産・物流体制およびメーカー機能と商社機能を併せ持つ「ベンダー機能」がある様です。

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ピックルスコーポレーション「個人投資家向け会社説明会資料」より

 

漬物の市場規模は3,100億円と大きくありませんが、同社は13.4%と2位以下を大きく引き離してトップシェアを誇ります。米飯離れなどもあり市場は縮小傾向にありましたが、(恐らく昨今の健康ブームによって)キムチが好調で、市場全体としては下げ止まっているとのこと。市場シェアのその他(56.1%)は

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ピックルスコーポレーション「個人投資家向け会社説明会資料」より 

 

また、同社は成長市場である惣菜のほか、調味料なども扱っています。卸売事業では牛角の製品を扱っているんですね。知りませんでした。今後の成長戦略ですが、新商品(惣菜、その他)の投入、販売エリア・サイトの拡大、新規事業となっています。トップシェアですが、まだまだ開拓可能なエリアが残っているので成長余地もありそうです。

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ピックルスコーポレーション「個人投資家向け会社説明会資料」より  

業績

業績推移を見ていきます。

売上は10期連続の増収、営業利益、当期純利益はやや凸凹あるものの長期的に増加トレンドにあります。特に18年以降は大幅な増益が続いており、高成長です。良いですね。

22年2月期の最終利益は対前年+3.71%と控えめ予想ですが、6/29に発表された1Q決算の時点で進捗率48.8%(最終利益)となっており、好調を維持しています。期中での上方修正が期待される所です

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SBI証券より

 

「稼ぐ力」を表す営業利益率とROEの推移です。製品における原材料費のウェイトが大きく、また広告宣伝費も掛かるため、営業利益率は2〜6%と低めで推移しています。ROEは7~13%で推移しています。工場など固定資産を多く持つ製造業ですので、ROEは低めに出やすいですが、それでも直近は10%を超えており、まずまず優秀なレベルです。とりわけ18年以降は営業利益率、ROEともに改善傾向にある点が良いかなと思います。

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SBI証券より

 

財務

自己資本比率は40~50%台で安定的に推移しています。40%以上あれば優良と言われるので、財務面で大きな問題は無さそうです。

キャッシュ・フローの推移です。設備投資が必要な製造業ですので、投資CFが大きくなっており、フリーCFがマイナスとなっている年もあります。業績の成長が大きいので、今は生産能力向上、業容拡大のための先行投資のフェーズにあると言えます。今後の推移を注視しておく必要がありますが、現金等>有利子負債で財務面で大きな問題は無いと思います。

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SBI証券より

株主還元

同社HPから具体的な配当方針を見つけることはできませんでした。

配当実績ですが、7期連続で増配中です。二ケタ増配の年も多く、14年~21年の7年間で配当を2.9倍に増やしており増配ペースも速いです。良いですね。半面、配当性向は10%台で推移しており、増配余地は大きいと見ます。

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SBI証券より

 

また、ピックルスコーポレーションは2月末権利で株主優待を実施しています。優待内容は、100株保有で同社グループの商品詰合せセット(1,500円相当)を数種類から選択する形です。ご興味のある方は、以下URLからご覧ください。

株主優待|株式情報|IR情報|野菜の元気をお届けします。~株式会社ピックルスコーポレーション (pickles.co.jp) 

株価指標

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ピックルスコーポレーションの10年チャート(株探より)


株価:3,415円(2021年7月7日終値)

配当:35円(配当利回り:1.02%)
PER:11.6倍
PBR:1.43倍
利益成長率:40.02%(1年)、28.58%(3年)、24.81%(5年)

 

株価は長期的に綺麗な右肩上がりで素晴らしいです。

利益成長率ですが、直近1年、3年、5年の平均を出してみました。年率20%以上の高成長を続けていることが分かります。仮に20%の成長が今後5年間続くとして、利益は2.4倍に増えます。これだけ高成長でPER11倍台なら、割安水準と言って良いでしょう。配当利回りは高く無いですが、今後も増配が続くと仮定すると、将来的に高配当化することも期待できます。

総評

直近の業績成長が素晴らしい銘柄です。稼ぐ力を表す営業利益率、ROEは製造業であることを考えるとまずまず優秀な部類かと思います。財務面も良好です。

株主還元についても7期連続増配中で、増配率も高いです。現状の配当利回りは1%程度と低いですが、配当性向は10%台と低くまだまだ増配余地があること、増配ペースが速いことを考えると、将来的に高配当化することが期待できます。

株価は長期的に綺麗な右肩上がりです。直近5年は20%以上の高成長を続けている反面、PERは11倍台と割安水準にあり、クオリティの高いバリューグロース株と言えそうです。

 

以上、ピックルスコーポレーションの銘柄分析でした。

最後までご覧頂き有難うございました。

 

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