分散投資からの脱却を思案中
こんにちは。
これまで、分散投資を念頭にPF作りを進めてきました。しかし、最近は成長を期待できる数銘柄を主力化してメリハリのあるPFにしようかなと思案中です。
「分散投資は無知に対するヘッジである」
とウォーレン・バフェットの名言にもありますね。
現在は主力候補の有価証券報告書や中期経営計画、決算説明資料などを読み込んで主力候補の銘柄に対する理解を深めている所です。銘柄に対する理解を深めた上で、(過去の)業績・財務の優秀さのみならず成長戦略への納得性と言うか、(自分なりの)成長ストーリーみたいなものを夢想できる銘柄に資金を分厚く投入する。こんな投資もしてみたいなと言う感覚が芽生えてきている所です。ビジネス会計検定試験3級の勉強を通して財務諸表を読むことに慣れてきたこともあり、これはと思う銘柄については「洞察力を働かせられるレベルまで深く知る」ことを進めている所です。
ニッチトップの主力候補2銘柄
今回取り上げるニッチトップの主力候補は、
- シロアリ防除トップのアサンテ(6073)
- 漬物トップのピックルスコーポレーション(2925)
です。
この2社には以下の共通点があると考えています。
- 地場の小規模業者の構成比率が高い、地味な業界でトップシェア。
- 全国展開の途上にあり、トップシェアと言えどもエリア・販売先の拡大による更なる成長余地が残されている。
- 主力分野とシナジーの高い事業分野への拡大を進めている。
なお、今回は成長性に焦点を当てて話を進めていきます。両銘柄のファンダメンタル(業績・財務)や株価指標等については過去記事(ちょっと古いですが)で分析していますので、よろしければご覧頂ければと思います。どちらも好財務かつ長期的に業績・配当が上昇トレンドにあるクオリティの高い銘柄だと思っています。
では、個別に見ていきたいと思います。
アサンテ(6073)
アサンテについて簡単に
シロアリ防除でトップの会社です。
詳細は過去記事に譲りますが、同社の魅力を一言で言うと、営業CF>>投資CFで現金がザクザク積み上がる事業構造だと考えています。
営業CF>>投資CFで現金が積み上がっていくアサンテ_マネックス証券より
事業環境とエリア拡大
国策である「住宅ストック活用型市場への転換(=既存住宅の活用、住宅の長寿命化)」に合致するビジネスで、長期視点に立てば事業環境としては良好かと思います。同社資料によると、新築着工戸数における木造比率は概ね60%で安定推移しており、(意外にも?)3.11の大震災以降も木造住宅の需要が底堅い様です。そして何より、以下の資料の通り、シロアリ防除は莫大な潜在需要を秘めるビジネスであることです。正直、これには一瞬ビビりました。
莫大な潜在需要を秘めるシロアリ防除_アサンテ会社説明資料より
ただし、冷静になって考えてみると潜在需要がいつ、どれぐらい顕在化するのか?これが重要になります。そこに対する戦略アプローチは同社資料からは残念ながら読み取れませんでした。
エリア拡大については、下図を見て分かる通り西日本がポッカリ空いていることが分かります。ここが当面の成長余地ですね。21年4月に南予営業所(愛媛県)を出店、いよいよ西攻めの準備が整ってきた所でしょうか。
西日本に成長余地を残すアサンテ_アサンテ会社説明資料より
事業分野拡大の方向性
同社は総合ハウスメンテナンスへの事業拡大を掲げ、既にシロアリ防除以外でも湿気対策、地震対策などのビジネスを展開しています。そして、更に事業分野を拡大するべく北海道で建築・リフォーム事業を行うハートフルホームを子会社化しました。「シロアリから総合ハウスメンテナンスへ」の布石でしょうか。北海道はシロアリ被害が問題化しない(=同社の守備範囲外の)地域ですので、同社にとっては営業エリア拡大にも寄与するM&Aではないかと思います。
ピックルスコーポレーション(2925)
ピックルスコーポレーションについて簡単に
漬物トップの会社です。「ごはんがススムキムチ」で有名。
同社の魅力を一言で表すと、高い成長性と指標的な割安さを兼ね備えていることです。右肩上がりの綺麗な株価チャート(10年)がそれを物語っています。
長期的に右肩上がりのピックルスCの株価(月足チャート)_株探より
事業環境とエリア拡大
アサンテとは対照的に、人口減や米食離れにより漬物市場は縮小傾向にあります。そんな中「甘口のキムチ」で、更にはTVCMや大胆なパッケージデザインなどによる積極的な販促・ブランディングにより漬物業界の常識を打ち破って業績を拡大してきました。もともとは同業2位「きゅうりのキューちゃん」で有名な東海漬物の子会社として設立されましたが、今ではかつての親会社を2倍以上引き離すシェアを獲得しています(なお、14年に親子関係は解消されましたが、今でも筆頭株主は東海漬物です)。
トップシェアとは言え、開拓余地は残されていると考える_ピックルスC「決算説明資料」より
エリア拡大については、開拓余地が残される西日本の販売拡大に注力するとしています。製造拠点としては京都、広島、佐賀に工場があり、活用していく形ですね。また、これまではスーパー・コンビニ中心でしたが、今後はドラッグストアや配食会社などへ販売先を拡充していく方針です。
シュリンクしているものの市場規模として3,200億円。同社シェアは14.4%ですので、まだまだ拡大余地はありそうです。特に「その他」の54.1%は地場の小規模業者ですね。同業37位の手柄食品(本社:兵庫県姫路市)を買収した様に、今後もM&Aによるシェア拡大はあり得るかと思います。
事業分野拡大の方向性
成長市場である惣菜分野への展開を行っており、既に売り上げはキムチと同水準にまで育っています。漬物で取扱いのある野菜を使ったものが中心で、健康・安心を訴求できる商品が中心になっている様に思います。
更に、自社開発および他社とのコラボによる新商品投入を積極的に行っています。下図の様に、スーパーの漬物コーナーから惣菜コーナー、更に別の売り場へと商品展開することにより顧客との接点を増やす取り組みを進めており、個人的には非常に期待する所です。新規顧客の獲得機会の拡充、更には既存顧客へのクロスセルも期待できるのではないかと思っています。
漬物コーナー以外への商品展開_ピックルスC「決算説明会資料より」
更に、ECサイトや外食・小売事業の運営を始めるなど、事業拡大を進めている所です。独自の乳酸菌「Pne-12」使った商品など、やはり健康・安心を売りにしたものが多いです。20年6月に開始した外食事業はコロナ影響もあり赤字ではありますが、今後に期待したいと思っています。
なお、同社資料には書かれていませんでしたが、将来、世界的に漬物やキムチがブームになったら・・。と言う所は夢想してしまいます。回転寿司がそうである様に・・・。
まとめ
主力候補のニッチトップ2銘柄の紹介でした。
- シロアリ防除トップのアサンテ(6073)
- 漬物トップのピックルスコーポレーション(2925)
ともに
- 地場の小規模業者の構成比率が高い、地味な業界でトップシェア
- エリア・販売先の拡大による更なる成長余地が残されている
- 主力分野とシナジーの高い事業分野への拡大を進めている
特徴を有する銘柄だと考えています。
最後までご覧頂き有難うございました。