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【保有株】キリンHD 21.12期本決算レビュー

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キリンHD 21.12期本決算レビュー

こんにちは。今回は保有株キリンD(2503)の本決算レビューです。

 

最近は投資対象を中小型バリューグロース株にシフトしつつありますが、ポートフォリオ全体の配当利回りを上げるため、大型高配当株への投資も継続して行うつもりです。シクリカル銘柄への投資は暴落して高配当化した時が逆張りの好機だったりする訳ですが、苦しい時にも安心して保有できる業界で首位級のポジションを持つ財務優良銘柄への投資を基本としています。

 

キリンHDは国内ビール首位級の会社です。年によりは上下するものの、国内ビール業界の売上シェアは以下の様になっています。

 

  1. サントリーHD(33.3%)
  2. キリン(32.3)
  3. アサヒグループHD(24.7%)
  4. サッポロHD(9.6)

引用:ビール業界の動向や現状、ランキングなどを研究-業界動向サーチ (gyokai-search.com)

 

ビールと言えばスーパードライ(アサヒ)と言う印象でしたが、コロナ自粛による飲食店向け需要の減少、新ジャンルに代表される低価格商品の台頭などにより業界構造にも変化がある様です。そして、(非上場のサントリーHDは別にして)同業のアサヒグループHD、サッポロHDに無くてキリンHDにあるものと言えば、ヘルスケア事業(協和キリン)です。昨今の健康ブームによりお酒離れが進む中、酒類製造に必要な発酵技術とのシナジーが高いヘルスケア事業は安定した収益源になると期待できます。また化粧品・健康食品など美と健康をテーマに商品開発・販売を行うファンケルとの資本業務提携にも期待しています。こちらはヘルスサイエンス事業として、新たな柱として育てていく方針です。ROIC指標にポートフォリオの最適化を進めており財務戦略にも共感しています。ブリヂストンと同じく中長期目線で保有したい大型株の1つです。

21.12期本決算

さて21.12期本決算の概要です。同社説明資料を以下に引用します。

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キリンHD「2021年12月期 決算説明資料」より

 

売上-1.5%、事業利益+2.0%、最終利益-16.9

EPS:71.73円、配当:65円(配当性向90.6%)

 

減収減益。営業利益に当たる事業利益は増益も、撤退を決めたミャンマー事業の非流動資産の減損損失466億円の影響があり、最終利益は二桁の減益となりました。セグメント別では国内およびミャンマー事業が大幅減、これを米国およびオーストラリアの海外事業、ヘルスケア事業がカバーする構図となっています。既に書いた通り撤退を決めたミャンマー事業に関しては今さらどうこう言うことはありません。一方で主力の国内事業の減益の理由が気になります。

決算短信を読むと以下の記載がありました。

売上収益はビールや発泡酒、RTD及びノンアルコール飲料の販売数量の増加により、増加しました。事業利益は、長期的な視点でのブランド投資を強化したことにより販売費が増加し、減少しました。

キリンHD「2021年12月期決算短信」より

 

まず売上が伸びていることは何よりです。利益に関しては戦略費の増加による減少と言えそうです。今後、投資効果がどの様に出てくるのか注視は必要ですが、中長期目線では悪くないかなと思います。

 

22.12期業績見通し

続いて、今期の業績見通しです。

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キリンHD「2021年12月期 決算説明資料」より

売上+7.1%、事業利益+0.3%、最終利益+91.5%

通期EPS(予想):137.36円、配当:65円(配当性向47.3%)

 

増収増益の予想。営業利益に相当する事業利益は微増も、最終利益は1.9倍と大きく増益となる見込みです。大幅増益の要因は決算資料の中に見つけることはできませんでしたが、原材料費の高騰にもかかわらず減益だった国内事業が回復する予想となっており、悪くはないかと思います。

 

中期経営計画

最後に、2022年-2024年の中期経営計画についてさらっと。

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キリンHD「「2022年-2024年 中期経営計画」より

 

前中計(19年-21年)から事業ポートフォリオ整理や政策保有株式の売却等によるBSスリム化を実践。今後もノンコア事業の売却を行って得た資金をコア事業への戦略投資に振り向けていく方針です。KPIとしてはROIC10%、EPSの年平均成長率(CAGR)11%としています。ぜひ成長軌道に乗せていってほしい所。

 

 

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キリンHD「「2022年-2024年 中期経営計画」より

 

食・ヘルスサイエンス・医の3領域に経営資源を集中します。特に成長ステージと位置付けるヘルスサイエンス領域に積極投資です。安定した食・医領域からのキャッシュ・フローが投資を下支えする構図。

 

 

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キリンHD「「2022年-2024年 中期経営計画」より

 

上図は、同社の財務戦略と効果を分かりやすく示しています。BS(PF)経営、成長投資に加えて株主還元についても記載があります。同日、500億円(発行済株式総数の3.6%)を上限とする自社株買いの発表がありました。

まとめ

キリンHD決算まとめです。

  • 21.12期は国内および撤退を決めたミャンマー事業の落ち込みにより減収減益
  • 22.12期は国内事業の復調により増収増益
  • 中計KPIはROIC10%、平準化EPSのCAGR11%
  • BS経営推進により創出したキャッシュを成長ステージにあるヘルスサイエンス領域に積極投資

 

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

 

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