こんにちは。
今回は、保有株であるTAKARA & COMPANY(7921)の決算内容を振り返りたいと思います。TAKARA & COMPANYは数少ない5月決算の優良銘柄であり、3、6、9、12月に偏りがちな配当月を分散する目的もあり保有しています。
TAKARA & COMPANYについて
TAKARA & COMPANYは、傘下に上場企業向けディスクロージャー・IR支援事業大手の宝印刷などを持つ持株会社です。2019年12月に持株会社に移行し、同時に商号を宝印刷からTAKARA & COMPANYに変更しました。時価総額は約240億円と規模の小さい会社ですが、今後の伸びに期待したい所です。
ディスクロージャー・IRとは企業がステークホルダー向けに経営状況、財務状況などの情報発信を行う活動のことで、決算情報の開示などがそれに当たります。上場企業は四半期毎に財務・経営状況を開示することが法律で定められており(法定開示)、定期的な収益が見込めるビジネスモデルです。加えて、同業界はTAKARA & COMPANYおよびプロネクサス(7893)の2社がシェアを分け合う複占状態にあります。定期的な収益が見込める上に競合が少ない(=それだけ参入障壁が高い)理想的な事業環境だと思っています。また、コーポレートガバナンスコードの改訂や非財務情報の開示など、ますます重要視される株主・投資家との対話もビジネス機会になると思います。以下の業績推移がそれを物語っています。
TAKARA & CO_個人投資家向け説明資料(2021年11月27日)より
今後は通訳・翻訳事業を成長領域に位置付けて伸ばしていく計画です。21.5期から2020年に買収したサイマル社(通訳・翻訳セグメント)の売上寄与が始まりました。残念ながらコロナ感染拡大により対面での会議が激減したことが影響して昨年はセグメント赤字となりました。ただ、リモート会議の定着に加えて遠隔同時通訳プラットフォーム「interprefy」(遠隔同時通訳プラットフォーム/SIMUL×interprefy)をリリースしたこともあり、セグメント利益は回復基調にあります。「interprefy」は日常的なリモート会議から大型イベントまで利用機会があり、顧客の手間・コストの大幅ダウンを実現できるサービスで今後の伸びに期待している所です。
以下が中期経営計画です。2023年に売上高300億円(21.5期対比+21.5%)、最終利益19億円(同+18.8%)を計画しています。急激な成長と言う訳ではありませんが、安定成長と言えるかと思います。営業利益率、ROEは二桁で安定推移を目指して頂きたい所。
TAKARA & CO_個人投資家向け説明資料(2021年11月27日)より
22.5期3Q決算内容
売上+4.2%、営業利益+67.8%、最終利益+80.7%
2Qまでの好調そのままに増収、大幅増益となりました。
売上に関しては、1Qが特殊要因による減収スタートだったものの2Qから増収に転じ、3Qでもこれを維持しています。1Qの特殊要因については、過去記事に書いていますので、以下をご覧頂ければと思います。
大幅増益の要因ですが、昨年は赤字になっていた通訳・翻訳事業が大幅に回復してきていることです。2Q時点では、
のれん及び無形固定資産の償却の影響をカバーするには至らず・・・(同社「決算短信(22.5期2Q)」より)
とセグメント赤字となっていた同事業ですが、ついに3Qで黒字化しました。過去記事に「黒字化は時間の問題」と書いた通り、こちらも期待通りです。
続いて通期の業績予想です。
売上+4.9%、営業利益+3.4%、最終利益+3.7%
EPS:129.69円、1株配当:58円(うち特別配当4円)
通期の業績予想に変更なし。3Q終了時点で大幅増益にもかかわらず、かなり保守的です。
ただし、2Q終了時点で通期の業績予想に対する進捗率86.9%(最終利益)と上方修正も期待できそうです。なお、ここは業績に季節性があり、1Qと4Q の売上が高くなる傾向にあり、本決算への期待は更に高まります。個人的には買値から株価上昇していますが、PER 15倍はまだ割安な印象を持っています。
以上、TAKARA & COMPANYの決算レビューでした。
最後までご覧頂き有難うございました。
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TAKARA & COMPANYの銘柄分析です。
同社の様に安定感のある銘柄はジュニアNISAで長期保有するのに向いていいると思います。
TAKARA & COMPANYは5月末権利でカタログギフトのカタログ優待が貰えます。優待月の分散にも良いですね。