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【保有株】業績横ばいも受注残は過去最高!今期は10期連続増配へ 明豊ファシリティワークス 22.3期本決算レビュー

はじめに

随分期間が空いてしまいましたが、3月決算の保有銘柄の本決算レビューを書いていきたいと思います。本決算は昨年1年間の最終的な業績と、今年の業績見通しが開示されるので特に重要です。個別株を触るなら保有株の決算チェックはしっかりとしておきたい所。当ブログでも保有株の決算レビューを書いていきます。

 

今回は明豊ファシリティワークス(1717)の本決算レビューです。

明豊ファシリティワークスについて

明豊ファシリティワークス(1717)は、オフィス・ビル移転、新築、改修などのプロジェクトにおける建築発注者向けの支援事業(=コンストラクション・マネジメント、CM)が主力。独立系では最大手の一角です。ビジネスモデル(受注方式)の転換期にあり、売上は年々減少していますが最終利益とEPSは長期的に増加トレンドにあります。8期連続増配と素晴らしく、利益の年平均成長率も10%程度とまずまず。働き方改革、DX、脱炭素と言った長期潮流に合致するビジネスと考えており、割安成長株の位置付けで少数ながら保有しています。配当性向を引き上げての高配当化は個人的に歓迎ではないものの、準主力ぐらいまでには買い増しを考えています。

東証スタンダード市場上場と言うことで地味な存在ですが、実は高年収企業です。東洋経済のランキングでは何と51位!平均年齢はやや高めですが、すごいですね。テレワークやDXの先進企業でもあります。きっと優秀な社員さんが多数在籍しているんでしょうね。優秀な社員が自分(株主)のために働いてくれると言うのも株式投資の魅力かなと思います。個別株に投資していると、より強くそれを感じることができますよね。

 

東洋経済の記事(平均年収ランキング)は以下です。

平均年収「全国トップ500社」最新ランキング | 賃金・生涯給料ランキング | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース (toyokeizai.net)

22.3期本決算レビュー

さて22.3期本決算の概要です。同社説明資料を以下に引用します。

明豊ファシリティワークス「2021年度 決算説明会資料」より

 

営業収益+0.5%、営業利益−4.9%、最終利益−2.3%

EPS:52.99円、配当:28円(配当性向52.8)

 

微増収ながら減益での着地。

要因は、決算短信から同社事業に影響する建設・設備投資、民間投資が弱含んで推移したことによる受注時期の遅れと読み取れます。配当は予定通り28円で9期連続の増配となりました。配当性向が高まっているのが気になる所。と、なかなか残念な感じに映りますが、上の決算説明会資料を見てみると、

受注粗利益は前年実績及び社内目標を上回り、期末受注残高は過去最高を更新しました。 同社「決算説明会資料」より

と書かれています。

 

なお、「受注粗利益」とは同社が収益の伸びを管理するための社内指標で、顧客との守秘義務の関係で開示されていません。その代わりに粗利益ベースでの受注残が開示されていますが、きっちりと積み上がっていることが分かります。今期もそれは継続している様で、「2022年度4月は過去最高の月次受注」とのこと。

明豊ファシリティワークス「2021年度 決算説明会資料」より

 

更に、同社はビジネスモデル(受注方式)、即ち以下に示すようなアットリスクCMからピュアCMへの転換が進んだことで、ここ数年で売上高は低下傾向にあります。

明豊ファシリティワークス「2020年度 決算説明会資料」より

 

契約形態(請負、準委任)の違い等は置いておいて、

  • (マネジメントフィーを含む)完成工事高を売上計上するのがアットリスクCM
  • マネジメントフィーのみを売上計上するのがピュアCM

 

です。よって、完成工事原価を上乗せされたアットリスクCMの方が売上高は高くなります(粗利益ベースでは概ね同じになる)。よって、粗利益または受注残が顧客ニーズをより反映した指標と言えるかと思います。因みに、ピュアCMとアットリスクCMについて解説された上記スライドは一昨年(20年度)のものであり、昨年(21年度)の資料には掲載がありませんでした。直近はほとんどをピュアCMとして受注していることから削除されたのかもしれません(過去の有報を見れば推移を確認できるのでしょうが、そこまでできていません)。売上高が下げ止まっている様にみえるのもそのためでしょうか?

 

最後は推測になりましたが、いずれにせよ

  • 受注残がしっかり積み上がっていること
  • 高収益(営業利益率:20.3%、ROE:14.8%)を維持していること

 

から、決算短信(業績数値)で見る以上に経営は好調と見ています。

23.3期業績見通し

続いて、今期の業績見通しです。

明豊ファシリティワークス「2021年度 決算説明会資料」より

営業収益+5.0%、営業利益±0%、最終利益−1.0%

EPS:52.19円、配当:29円(配当性向55.6%)

 

増収も微減益予想です。

外部環境については引き続き慎重に見ている様です。

配当方針を変更して配当性向55%目安まで引き上げたため、1株配当は1円増配の29円。10期連続増配を目指します。

 

またまた弱気な感じはしますが、新たに立ち上げたDX支援事業(社員の生産性向上を目的とした自社開発システムの提供などによる働き方改革支援)、脱炭素CM窓口の設置など、将来に向けた種まきは進んでいる様です。官公庁、地方自治体、大学、企業など幅広い顧客から引き合いもある様で長期目線で期待したいと思っています。

まとめ

明豊ファシリティワークスの22.3期本決算まとめです。

  • 受注時期の遅れなどにより減益だが受注残は過去最高、顧客ニーズは堅調に見える
  • 23.3期見通しはほぼ横ばいと弱気も10期連続の増配へ
  • DX支援(働き方改革)、脱炭素CMなど新たな需要創造に向けた種まき進む

 

より深掘りすると見えてくる景色が違う銘柄で、買い増しはありかと思っています。株価も安いですし(株価:656円、PER:12.6倍)。

以上、最後までご覧頂き有難うございました。

 

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