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ブリヂストン(5108)分析【2024年版】

 

本記事を執筆している2024年4月現在でマイPF主力9位のブリヂストン(5108)の分析です。コロナショック直前の2020年1月に投資し、その直後コロナ禍による業績不振に見舞われました。赤字転落、株価暴落、減配・・・と苦しい時を乗り越えて、今では60%以上の含み益となっています。長いお付き合いですが、こうやって保有を続けられるのも、投資先企業に対する理解を深められたからこそかと思います。

 

昨年も分析記事を書きましたが、最新の有価証券報告書の情報をもとに内容をアップデートしましたので、ご覧頂ければと思います。

 

なかなか更新できていませんが、投資している株を中心に分析記事を書いています。過去記事は以下にまとめてありますので、よろしければご覧下さい。

www.loveyuyu-dividend.com

 

ブリヂストンについて

まずは事業内容、投資指標など簡単に。

  • 世界トップ級のタイヤメーカー(ゴム製品)
  • 自動車向けのみならず航空機や重機向けタイヤも扱う。直近はプレミアム(高付加価値)タイヤに注力。成長の柱としてソリューション事業を位置付け。
  • 株価:6,673円(24.4.12終値)
  • 時価総額:4兆5,748億円
  • 予想PER:12.0倍(過去平均PER:11.8倍)
  • 予想配当利回り:3.15%(3期連続増配)

 

時価総額4兆円以上、海外売上比率70%以上の日本を代表するグローバル企業です。当社資料によると2022年のタイヤ市場シェアはミシュランに次いで世界2位。ここ数年は不動のワンツーとなっています。1988年に北米の同業ファイアストンを買収し、現在の地位を築きました。国内メーカーでは住友ゴム(5位)、横浜ゴム(8位)、トーヨータイヤ(11位)と続きますが、市場シェアで比較するとブリヂストンが圧倒的。

ブリヂストン「BRIDGESTONE DATA 2024」より

 

事業ポートフォリオです。コア事業であるプレミアムタイヤ事業、成長事業と位置付ける(タイヤを中心とした)ソリューション事業の2つで90%以上を占めます。コア事業の利益率が13.7%と高く安定した収益源と言えそうです。

ブリヂストン「中期事業計画2024-2026」より

 

2023年までの前中計期間で、生産拠点の再編や低採算事業(おもに化工品・多角化事業)からの撤退等、事業ポートフォリオの再編を進めました。結果、当社想定のWACC(加重平均資本コスト)=5.5%を下回るROIC(投下資本利益率)の事業は無くなっているとのこと。今中計期間は、より一層プレミアムタイヤ事業・ソリューション事業にフォーカスしていくことになります。これだけの規模の会社ですが、ポートフォリオ経営を実践し収益性を高めていこうとする姿勢は素晴らしいです。

業績

それでは業績について、損益計算書(PL)の推移から見ていきます。

マネックス証券より

続いて営業利益率とROEの推移です。

マネックス証券より

 

業績の特徴は以下の通り。

  • 業績のアップダウンが大きい。リーマンショック時は黒字で切り抜けたもののコロナ禍の2020年12月期は最終赤字に
  • 直近5年の年平均成長率(CAGR)は、売上3.4%、営業利益3.6%、最終利益2.6%。業績はコロナ禍から回復、過去最高レベルとなる。
  • 営業利益率、ROEともに業績が大きく落ち込んだ年以外は概ね二ケタ水準を維持。
 
アップダウンの大きい業績推移から、外的影響を強く受けるシクリカル銘柄であることが分かります。業績は原材料費や景気の影響、また売上の多くを北米で上げていることから為替の影響も受けます。リーマンショック時の2008年〜2009年には業績低迷、コロナ禍の2020年は最終赤字となりました。成長率を見ても決して高いとは言えません。ただし、厳しい時でも営業利益は常に黒字を確保していること、利益率、ROEともに高水準で推移していること、一度業績が落ち込んでもその後しっかりと回復していることは流石で、シクリカルな業種に属する企業としては安定感があると思います。

財務

続いて貸借対照表(BS)、直近5年間の推移です。以下、構成比で表示。

マネックス証券より

 

特徴は以下の通り。

  • 自己資本比率は60%前後で安定推移。流動比率(流動資産/流動負債×100)は213.3%。財務面の安全性は高い。
  • 流動資産で現金預金、売上債権、棚卸資産の比率は多少振れ幅あり。恐らく受注状況等によって変化するものと思われる。
  • 有形固定資産は37.9%。製造業なので工場や機械・装置などを保有。率としてはやや減少傾向。

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの推移です。

マネックス証券より

  • リーマンショック、コロナショック時も含め営業CFは安定してプラスで推移。
  • 投資CFはマイナス。設備投資、M&Aなどの費用を計上。
  • 23.12期の営業CFマージン(営業CF/売上×100)は15.3%と高い。ショック時を除き概ね二ケタ水準を維持。

 

事業の性質上それなりの投資CFが必要なのですが、ほとんどの年でそれを上回る水準の営業CFがありフリーCFは概ねプラスで推移しています。営業CFマージンも高く現金を稼ぐ力が高いビジネスです。

株主還元

株主還元です。

マネックス証券より

 

コロナ禍の影響を受け最終赤字になった20.12期は減配してしまいましたが、翌21.12期から再び増配基調に戻りました。「連結配当性向40%を目安」とし、「安定的且つ継続的な配当額の向上に努める」方針。今期は1株当たり210円の配当を予定。実現すれば4期連続の増配となります。

まとめ

以下、独断と偏見によるブリヂストンの評価です(★が多い方が好評価)。

成長性:★★☆☆☆

収益性:★★★☆☆

安定性:★★★☆☆

 

売上・利益の過去CAGRを見ると成長性は高くない様に見えます。ですが事業ポートフォリオの再編を行い、より付加価値の高い分野に経営資源を投入していこうと言う姿勢に共感、今後の成長に期待して(だから投資しているのですが)、成長性は★2としました。収益性は日本の製造業としては優秀な部類で★3。安定性は業績面では外的要因の影響を受けやすく赤字もある反面、好財務で現金を稼ぐ力も高いことから★3としました。

 

いつもシクリカル銘柄には辛目の評価になりますが、高配当狙いなら充分クオリティの高い銘柄だと思います。僕は、少なくとも空飛ぶクルマが普及するまではガチホの方針です。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。