弱小投資家が経済的自由を目指すブログ

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【銘柄分析】ブリヂストン(5108)

 

高配当株として保有しているブリヂストン(5108)の銘柄分析です。

ちょっと前に有価証券報告書が出ました(で、気が付けばもうすぐ1Q決算発表なんやけど・・)ので、自身のアップデート兼ねて記事にしました。

 

なかなか更新できていませんが、投資している株を中心に分析記事を書いています。過去記事は以下にまとめてありますので、よろしければご覧下さい。

www.loveyuyu-dividend.com

 

ブリヂストンについて

まずは事業内容、投資指標など簡単に。

  • 世界トップ級のタイヤメーカー(ゴム製品)
  • 自動車向けのみならず航空機や重機向けタイヤも扱う。直近はプレミアム(高付加価値)タイヤに注力。成長の柱としてソリューション事業を位置付け。
  • 株価:5,380円(23.4.27終値)
  • 時価総額:3兆7,176億円
  • PER:11.0倍(過去平均PER:11.5倍)
  • 配当利回り:3.72%

 

時価総額3兆円以上、海外売上比率70%以上の日本を代表するグローバル企業です。1988年に北米の同業ファイアストンを買収、現在の地位を築きました。同社資料によると2021年のタイヤ市場シェアはミシュランに次いで世界2位。ここ数年の推移を見ても、順位の入れ替わりはあるものの不動のワンツーとなっています。国内メーカーでは住友ゴム(5位)、横浜ゴム(9位)、トーヨータイヤ(11位)と続きますが、市場シェアで比較するとブリヂストンが圧倒的。

ブリヂストン「BRIDGESTONE DATA 2023」より

 

輸送機(主にクルマ)関連の製造業と言うことで景気に敏感な事業セクターになります。業績は原材料費や景気の影響、また売上の多くを北米で上げていることから為替の影響も受けます。タイヤは新車向けよりも交換タイヤの方が利益率が高くなる傾向にありますが、国土の広い北米ではタイヤ交換は(日本に比べて)より頻回に行われます。これが北米のウェイトが大きくなる理由の1つです。

 

2023年12月期が中計(2021~2023)の最終年度になります。以下が今中計の概要。

  • コア事業:プレミアム(高付加価値)タイヤ戦略、コスト構造改革
  • 成長事業:ソリューション事業の展開加速
  • その他事業:収益性が低下した化工品・多角化事業の選択と集中

2022年までに(下線で示した)生産拠点の再編や化工品・多角化事業の一部から撤退し、ビジネスポートフォリオの再編を進めました。2023年は一層プレミアム事業・ソリューション事業にフォーカスしていく年になりそうです。これだけの規模の会社ですが、事業ポートフォリオを入れ替え収益性を高めていこうとする姿勢は素晴らしいです。

業績

PL推移から見ていきます。以下は損益計算書(PL)の推移です。

マネックス証券より

続いて営業利益率とROEの推移です。

マネックス証券より

 

業績の特徴は以下の通り。

  • 業績のアップダウンが大きい。リーマンショック時は黒字で切り抜けたもののコロナ禍の2020年は最終赤字に
  • 直近5年の年平均成長率(CAGR)は、売上2.4%、営業利益2.9%、最終利益0.8%。コロナ禍で業績が落ち込んだこともあるが、成長は止まっている様に見える。
  • 営業利益率11.7%、ROE10.7%。業績が大きく落ち込んだ年以外は概ね二ケタ水準を維持。
 
業績のアップダウンが大きく、外的影響を強く受けることが分かります。コロナ禍の2020年は最終赤字となりましたが、厳しい時でも営業利益は常に黒字を維持している所は流石です。利益率、ROEも高水準で推移しており、日本のシクリカル銘柄としては優秀な部類かなと思います。
成長は止まっている様に見えますが、コロナ禍の2020年を底に回復基調にあります。今後は成長戦略にも掲げられているコア事業におけるプレミアム戦略、ソリューション事業の拡大が上手くいくかどうかですね。

財務

続いて貸借対照表(BS)、直近5年間の推移です。以下、構成比で表示。

マネックス証券より

 

負債・純資産(資金の調達サイド)から見ていきます。

  • 自己資本比率は50%台後半で安定推移。
  • 流動負債21.9%、固定負債17.4%。

 

資産(資金の運用サイド)です。

  • ざっくり流動資産/固定資産=50/50で安定推移。流動比率(流動資産/流動負債×100)231.4%。
  • 流動資産では現金預金、売上債権、棚卸資産の比率は多少振れ幅あり。恐らく受注状況等によって変化するものと思われる。
  • 製造業なので有形固定資産は37.4%と高いが、率としてはやや減少傾向。

 

工場や機械・装置などを保有する製造業なので有形固定資産が多いです。自己資本比率、流動比率ともに問題なし。好財務。

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの推移です。

マネックス証券より

  • リーマン、コロナ時も含め営業CFは安定してプラスで推移。
  • 投資CFはマイナス。設備投資、M&Aなどの費用を計上。
  • 営業CFフリーCFは概ねプラス。

 

事業の性質上それなりの投資CFが必要なのですが、ほとんどの年でそれを上回る水準の営業CFがありフリーCFは概ねプラスで推移しています。現金が溜まるビジネスです。素晴らしいですね。

株主還元

株主還元です。

マネックス証券より

 

最終赤字になった20.12期は流石に減配してしまいましたが、長期的に見て増配傾向にあります。連結配当性向40%を目安とする方針。今期は200円を予定しています。

まとめ

以下、独断と偏見によるブリヂストンの評価です(★が多い方が好評価)。

成長性:★★☆☆☆

収益性:★★★☆☆

安定性:★☆☆☆☆

 

売上・利益の過去CAGRを見ると成長は止まっている様に見えます。ですが事業ポートフォリオの再編を行い、より付加価値の高い分野に経営資源を投入していこうと言う姿勢に共感、今後の成長に期待して(だから投資しているのですが)、成長性は★2としました。収益性は日本の製造業としては優秀な部類で★3、安定性は外的要因の影響を受けやすく赤字もあるので★1としました。

 

いつもシクリカル銘柄には辛目の評価になりますが、高配当狙いなら充分クオリティの高い銘柄だと思います。僕は、少なくとも空飛ぶクルマが普及するまではガチホの方針です。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。