はじめに
これから投資を始めようと言う方の多くは、「NISA」、「つみたてNISA」どちらを選べば良いのかお悩みではないでしょうか。今回は、そんな疑問にお答えしたいと思います。
まだまだ資産運用を始めて日が浅いですが、色々と勉強・実践しているうちに、これから投資を始めたいと言う家族や知人・友人から質問を受ける機会が増えてきました。その中で、最も多いのが「NISA、つみたてNISAどっちが良いのか?」といった趣旨の質問です。
NISA?
つみたてNISA?
どちらが自分に合っているのか、判断する際のヒントになればと思います。
NISA、つみたてNISAの違い
NISA、つみたてNISAともに少額の投資を行う方のための優遇制度です。それぞれ条件がありますが、株式や投資信託の売買で得た譲渡益、配当金等に対して掛かる税金が非課税になります。即ち、運用益に対して税金が掛からないのがNISA、つみたてNISA共通のメリットです。
NISA、つみたてNISAの違いは、主に①非課税になる投資対象、②投資枠(年間いくらまで非課税で投資できるか)、③期間の3点です。NISA口座、つみたてNISA口座のどちらか一方、1人1口座しか開設できないため、どちらが良いのかお悩みの方も多いと言うことだと思います。それぞれ順に見ていきましょう。
まずNISAについてです。
・非課税対象:株、投資信託
・非課税枠 :年間120万円
・非課税期間:最長5年間(期間延長可能)
続いてつみたてNISAです。
・非課税対象:国が定める基準を満たした一定の投資信託
・非課税枠 :年間40万円
・非課税期間:最長20年間
NISAでは最大600万円、つみたてNISAでは最大800万円が運用可能になります。ざっくり言うと、つみたてNISAの方が長期、分散、積立てと言った基本に沿った投資を実践し易い制度設計になっていて初心者向けです。さらに、つみたてNISAで投資できる投資信託は、金融庁が選んだ優良なものに限定(長期での資産形成に適さないと考えられるものは除外)されています。この点でも初心者が粗悪な商品を掴まない様に配慮がなされています。
NISAをおすすめできる方
個別株式に投資したい方
第一はこれですね。つみたてNISAでは投資できる商品が「一定の投資信託」に限定されているからです。従って、銘柄研究をしてアクティブに投資をしたい方にはデメリットになります。また、米国など海外のETF(上場投資信託)に投資したい場合も、つみたてNISAでは選択肢がほとんど無いので、NISAを選ぶことになります。ただし、つみたてNISAで当該ETFに投資できる投資信託もありますので、その辺り含めて総合的に判断されると良いかと思います。
もっとも、つみたてNISAで投資信託を積立て購入し、非課税枠以外(特定口座など)で個別株を取引きするのは全然問題ありません。非課税制度(NISA)を利用した場合、運用益に対して非課税である反面、損失が出た場合は損益通算できない(損失が無かったことになる)と言うデメリットがありますので、NISAで個別株投資をする場合は特に、自身の取れるリスクを考慮の上、判断して頂く必要があると思います。
長期の運用を必要としていない方
資産形成のフェーズに無い方で余裕資金を運用したい方です。例えば、年金生活の方で余裕資金を投資して配当金や株主優待が欲しい人です。この様な方は、「お金を使う」フェーズにあります。ただ、余裕資金を銀行預金で遊ばせておくのはもったいと思っているのであれば、NISA枠を利用して資産の一部を運用するのも有りかと思います。
また、余裕資金を短期間(5年間)で集中的に投資したい方です。つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。これで足りない方は、NISAも検討対象になってくるでしょう。個人的に、NISAの非課税期間の5年間は、長期での資産形成と言う観点からは短いと感じています。期間延長(ロールオーバー)の制度もありますが、最低でも10年間は欲しいと思います。とは言え、短期的に非課税枠を利用したい方には使い易い制度だと思います。
つみたてNISAの非課税枠は年間40万円です。NISAであれば5年で投資できる額(600万円)を15年掛けて積み立てることになります。もちろん、NISAのデメリットは認識した上で、どう判断するかです。
つみたてNISAをおすすめできる方
「NISAをおすすめできる方」に該当しない方です。
そもそも論として、つみたてNISAは資産運用の基本(長期、分散、低コスト)を、投資に詳しくない方や投資に割く時間が無い方でも手軽に実践できるようにした点で非常に良い制度だと思っています。従って、積極的にNISAを利用したいと思う方でなければ、つみたてNISAをおすすめします。非課税枠が足りないのであれば、デメリットもありますがiDeCoの利用も検討に値するのではないかと思います。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
NISA、つみたてNISAの整備は、国から国民に向けて「資産運用をしなさい」と言うメッセージだと思います。このメッセージを受け止め、早く行動に移すことが重要だと思います。
以上、最後までご覧頂き有難うございました。
iDeCoの最大のデメリットは60歳まで資金を拘束されることです。 我が家でも苦悩の種ではあります。