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【銘柄分析】第12回 日本エス・エイチ・エル(4327)

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こんにちは。

僕が投資している(または投資したい)と考えている銘柄を中心に紹介する銘柄分析シリーズ。第12回目の今回は、日本エス・エイチ・エル(4327)を取り上げてみたいと思います。読者の皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。

銘柄概要

日本エス・エイチ・エルは、国内企業向けに人材アセスメントサービスを提供している会社です。時価総額は154億円と規模の小さな会社です。今後の伸びに期待したいです。人材・広告大手のマイナビと資本業務提携。

同社の主力は採用試験で実施される適正テストで、新卒採用向けの「GAB」、コンピューター職向けの「CAB」などがあります。その他、以下の図の様に昇進昇格、能力開発、組織開発といった人事関連の様々な場面で商品・サービス提供実績があるとのこと。同社の強みは50か国以上に拠点を持ち、110か国以上で商品やサービスを提供している、世界最大のアセスメント・サービス・プロバイダーの英国SHLグループとライセンス契約を結び、ノウハウを活用できることです。また、特にWeb版で高いシェアを誇っており、今後デジタル化が進んでいく中で業績を伸ばしていく可能性が高いと思われます。

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日本エス・エイチ・エル ウェブサイトより

業績

売上、営業利益、当期純利益の推移です。売上、利益ともに綺麗な右肩上がりです。素晴らしいです。21年9月期の業績予想はコロナ影響でしょうか。やや成長が鈍化しています。今後の推移には注意しておきたいですが、現時点では問題ないと思います。

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SBI証券より

 

「稼ぐ力」を測る指標である営業利益率とROEの推移です。営業利益率は40%以上、ROEも概ね20%弱で推移しています。ROE8~10%あればまずまず優秀と言われる所、かなりの高水準です。「稼ぐ力」は非常に高いと言えます。ROEが高水準を維持できていると言うことは、競争力が高いビジネスを持っていることを意味します。

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SBI証券より

 

財務

自己資本比率は85%前後で推移しています。40%以上あれば優良と言われる所、かなりの高水準です。加えて有利子負債ゼロと財務は鉄壁です。 

以下はキャッシュ・フローの推移です。ここ10年、営業CFは常にプラス、2014年こそ投資CFが大きくフリーCFがマイナスになっているものの、それ以外の年のフリーCFは安定してプラスで推移しています。ほとんどの年で営業CF>>投資CFとなっており、バランスが素晴らしいです。特に、営業CFが10億円以上ある所、設備投資が4000万円以下と極小で済んでいる(20年9月期)ことが要因です。小さな投資で多くのキャッシュを稼ぐことができるため、現金も積み上がっています。良いですね。f:id:loveyuyu:20210308060718p:plain

SBI証券より

株主還元

同社資料から、数値化された明確な株主還元の方針は見つけることができませんでした。

以下は配当実績です。2011年以降、10期連続増配と素晴らしいです。20年9月期は普通配当76円に特別配当20円を加えた96円と大きく増加しています。21年9月期は特別配当を落としますが、普通配当ベースでは据え置きの76円の予想です。

配当性向は40~50%台で推移しています。やや高めの水準ではありますが、長期的に安定しており、利益の増加に伴って増配してきていることが分かります。特段の問題は無いと思います。今のトレンドが今後も続くのであれば、更なる増配も期待できそうです。

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SBI証券より

株価指標  

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日本エス・エイチ・エルの10年チャート(株探より)

 

株価:2,617円(2021年3月5日終値)
PER:16.3倍
PBR:3.14倍
配当:76円(配当利回り:2.90%)

株価は長期的に見れば割と綺麗な右肩上がりです。PERは標準的な水準、PBRは割高水準です。このところ株価が好調で、配当利回りも3%を切っています。過去トレンドから長期目線ではいつ買っても良い様に思いますが、個人的には株価が少し下がった所で拾ってみたいなと思います。

総評

長期的に業績・株価・配当が伸びている点、「稼ぐ力」が高い点、好財務な点は非常に良い所です。高ROEを維持していることから、参入障壁が高く競争力の高いビジネスを保有していると考えられます。また、デジタル化、採用活動のリモート化にも対応できるWeb版の商品が好調であることも、withコロナ、afterコロナの時代にマッチしていると考えられます。事実、コロナ禍においても大きく業績を落としていません。リーマンショック時にも大きく業績を落としておらず、安定黒字のディフェンシブ銘柄と言え、長期投資に適した銘柄と考えます。

一点だけ気がかりな点は、SHLグループ本国との関係がどうなっているのかです。今後もライセンス契約が続けば良いのですが、ある意味では生殺与奪を握られていると言えます。心配し過ぎかもしれませんが、頭には入れておきたい所です。

直近、株価は割と好調なので、買い時は考えたい所です。個人的には調整が入ったタイミングで狙ってみたい銘柄です。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。

最後までご覧頂き有難うございました。