資産運用・副業の4年生が経済的自由を目指す

経済的自由を目指すアラフォーサラリーマンが、資産運用・副業に本気で取り組む中で日々考えたことを書いているブログです

【銘柄分析】プロネクサス(7893)

 

投資先でもあるプロネクサス(7893)の銘柄分析をしてみました。読者の皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。

筆頭株主で創業家一族会長が株式売り出しをすると言うことで需給の悪化が懸念されて売り込まれていますが、インカム銘柄のone of themの位置付けであれば長期保有は有りとのスタンスで、今回取り上げてみました。

 

銘柄分析は以下にまとめています。最近は更新できていませんが、ボチボチ更新していきたいと思います。

www.loveyuyu-dividend.com

 

プロネクサスについて

ざっくりとした事業内容、投資指標等は以下の通りです。

  • ディスクロージャー・IR支援大手(その他製品)
  • 業界シェアは同業のTAKARA & COMPANYと二分する複占状態
  • 株価:993円(22.08.31終値)
  • 時価総額:310億円
  • PER:14.1倍
  • 配当利回り:3.63%

 

以下はプロネクサスの事業概念図です。



プロネクサス_決算説明資料より

 

ディスクロージャー・IRとは企業がステークホルダー向けに経営状況、財務状況などの情報発信を行う活動のことで、決算情報の開示などがそれに当たります。高い専門性が求められる分野でのコンサルティングサービス、開示実務の精度と効率を高めるシステムサービスを武器に、顧客企業が「コア業務」に集中できる時間を創出することが同社の提供価値になります。

急激な成長は見込めませんが、上場企業2,300社、非上場企業1,100社を始め4,000社近くの顧客基盤を有し安定感があります。上場企業は四半期毎に財務・経営状況を開示することが法律で定められており(法定開示)、定期的な収益が見込めるビジネスモデルです。その上競合が少ない(=それだけ参入障壁が高い)理想的な事業環境だと思っています。また、コーポレートガバナンスコードの改訂や非財務情報の開示など、ますます重要視される株主・投資家との対話もビジネス機会になると思います。

株券印刷を祖業とする当社ですが、昨今のペーパーレス化により印刷分野はシュリンクすることが見込まれるため、今後は電子化への対応、コンサルをはじめサービス・ソリューション等の非印刷分野の比重を高めていく方針です。

上述の通り、業界シェアはTAKARA & COMPANYと二分する複占状態になっています。二社の比較は後述しますが、結論だけ言うとTAKARA & COMPANYの方が指標面では優秀に見えます。

業績

まずは業績から見ていきます。以下は損益計算書(PL)の推移です。

マネックス証券より

続いて利益率とROEの推移です。

マネックス証券より

 

業績の特徴は以下の通り。

  • 売上、営業利益ともに2011年~2012年をボトムにじわじわ増加。過去5年の年平均成長率(CAGR)は売上3.9%、営業利益1.0%、最終利益-0.5%。トップライン(売上)は伸びているものの直近は利益成長がほぼ止まっている。
  • 営業利益率は10%前後で安定推移しており良くも悪くもない。ROEは8%前後で推移しているものの直近は8%割れが続いており、もう少し頑張って欲しい所。
  • 2011年~2012年の業績不振の原因は、当時の有価証券報告書によると(恐らくリーマンショックに端を発する不況による)上場企業数およびIPO数の減少、国内証券市場の低迷、顧客企業のコスト削減意識の高まり等によるもの。
 
ディフェンシブ銘柄と考えていましたが、倒産が相次ぐ様なリーマンショック級の危機になると当社業績も強く影響を受けると言うことですね。まあ、その様な状況でノーダメージで生き残れる企業はほとんど無いとは思いますが。。どの様な業種でも不況時には影響を受ける訳ですが、事業リスクとして頭に入れておきたいと思います。
なお、四半期毎の業績推移を見ると、年間の利益のほとんどを1Qで稼いでおり、業績に季節変動性があります。顧客企業の多くが3月決算であり、決算発表や株主総会関連の需要が1Q(4月~6月)に集中するためです。四半期毎の決算チェックをする際は要注意ですね。

財務

続いて貸借対照表(BS)、直近5年間の推移です。以下、構成比で表示。

マネックス証券より

 

負債・純資産(資金の調達サイド)から見ていきます。

  • 負債・純資産合計356億円のうち234億円が純資産で、自己資本比率66%と鉄壁の財務。ただし直近5年で見ると自己資本比率は低下傾向(74%⇒66%)にある。配当に加えて毎年の様に行う自社株買いが影響していると思われる。
  • 流動負債、固定負債ともにわずかながら徐々に増加している(過去5年で流動負債:13%⇒15%、固定負債:11%⇒16%に増加)。
  • 流動負債の主な項目は営業債務(16億円)、その他の債務(26億円)。営業債務は買掛金等、その他の債務は未払賞与や未払費用等。
  • 固定負債(58億円)の主な項目はリース負債(23億円)および退職給付費用(26億円)。リース負債は建物や機械装置等をリースしていることによるもの。

 

資産(資金の運用サイド)です。

  • 資産合計356億円のうち現金等が122億円(34%)、有形固定資産(21%)、投資その他の資産(21%)。過去5年では、現金等の構成比率が減少(40%⇒34%)、有形固定資産(15%⇒21%)、投資その他の資産(18%⇒21%)が増加傾向にある。
  • キャッシュリッチ企業。流動比率(流動資産÷流動負債×100)も279%と鉄壁の安全性を誇る。
  • 投資その他の資産で政策投資目的の株式等を多く保有している。資本業務提携を発表したビジネスブレイン太田昭和の株式7.4億円が計上されている。

 

自己資本が厚くキャッシュリッチで鉄壁の安全性が特徴です。この財務基盤が積極的な株主還元の源泉と言えます。経営会計コンサルなどを行うビジネスブレイン太田昭和への出資等、非印刷分野拡充のための投資が実を結ぶかどうかですね。その他、政策投資目的で株式を多く保有しているものの効果については開示無し。もし仮に利益に結びつかない資産であるならば、手放していく選択肢もあるのでは?と思います。

キャッシュ・フロー

キャッシュ・フローの推移です。

マネックス証券より

 

  • どん底の2011年を除いて営業CFは安定的にプラスで推移。
  • 投資CFはマイナス。支出の多くを占めるのは無形資産の取得。情報加工を専門とする当社にとって心臓部とも言えるシステム関連への投資と思われる。
  • 財務CFはマイナス。配当金と自社株買いの支出が大半を占める。
  • 安定して営業CF>投資CF(フリーCFがプラス)、営業CF>当期純利益の構図で現金を稼ぐ力は高い。営業CFマージン(営業CF÷売上×100)は14.5%。

 

現金を稼ぐ力が高いものの、株主還元を積極的に行っていることから長期的に現金等は横ばいとなっています。まあこれ以上お金貯めても・・・と言う所ですかね。いかにも安定感の高い成熟企業のキャッシュ・フローと言った所。

株主還元

株主還元です。

プロネクサス_決算説明資料より

 

配当性向50%以上を基準に安定配当を実施する方針。毎年増配する訳ではありませんが、2016年以降は減配することなく増配傾向にあります。また、毎年の様に自社株買いを行っており、配当と併せた総還元性向は100%を超える年もありますね。株主還元に積極的な銘柄と言えます。

同業他社との比較

最後に、業界シェアを二分するTAKARA & COMPANYとの比較です。

 

上記指標で比較する限りにおいて、TAKARA & COMPANYに軍配が上がります。とりわけ売上、利益の成長率で大きな差がありますね。個人的にはTAKARA & COMPANYの方が好みです。

まとめ

以下、プロネクサスの個人的な印象です(★が多い方が好評価)

成長性:★☆☆☆☆

収益性:★★☆☆☆

安定性:★★★★★

 

まじめに分析した結果厳しい評価となりましたが、長期保有特典付きのクオカード優待もあり、インカム投資の分散先のone of themとして長期保有は有りとのスタンスです。結局それかい!と言う突っ込みが聞こえてきそうですが、財務の安定性は非常に高いので「利回り高めの債券」ぐらいのスタンスで家族名義含めて100株ずつ保有する分には問題ないと判断しています。リーマンショック級の危機でも来ない限り減配リスクも低いと見ています。まさしく「金のなる木」ではないでしょうか。

既に成熟企業に見える当社ですが、BSに改善の余地がありそうですし、今後はサービスやソリューションなど非印刷分野の拡大による再成長の可能性はあるかもしれません。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。