はじめに
こんにちは。
主力候補のピックルスコーポレーションが落ちるナイフ状態です。
最近発表された23.2期1Q決算ですが、コロナ下による巣ごもり需要の反動減、原材料価格の高騰等を要因に大幅減益でのスタートとなりました。ここ数年は業績好調で、株価も綺麗な右肩上がりに伸びてきましたが、ここへきて株価が崩れてきました。
直近の決算レビューは以下記事に書いておりますので、よろしければご覧下さい。
主力候補として今が買い時と判断して積極的に買い向かうべきか、それとも分散投資先の「one of them」に格下げすべきか(売りは考えていません)。非常に悩ましい状況ですが、株価下落時こそ投資先の悪い部分が浮かび上がってくる訳ですね。損切りしてしまうのも1つの手ですが、基本的に含み損○%になったら機械的に損切りみたいなルールは採用していません。こういう時こそ深掘り調査をして今後の投資方針を検討し、買いと判断できればナンピン買いに動きたいと思っています。
安く買って長期保有
これがモットーです。
と言うことで、「あーだ、こーだ」と考えている所です。今回は、ピックルスコーポレーションと他の食料品セクターを比較してみました。食料品業界の勉強にもなりましたので、共有したいと思います。
なお、本記事では触れていませんが、比較対象とした銘柄は全て株主優待(自社商品系が多かった様な)を実施していたと思いますので、興味あれば調べて頂ければと思います。
比較対象と指標
まず、比較対象の銘柄と指標について書いておきます。ピックルスコーポレーションはキムチをはじめとする漬物で首位の会社ですが、同業で上場している会社はありません。よって、比較対象とする銘柄は独断と偏見により以下としました。なお、株価については調査を開始した2022年7月13日終値を基準としています。
- 食料品セクター時価総額トップ3
- 加工食品メーカー
- 野菜関連メーカー
比較指標および見ているポイントについては以下。
- 時価総額、売上 ⇒会社規模
- 予想PER ⇒割安/割高
- 粗利益率、営業利益率 ⇒収益性
- ROIC ⇒効率性
- 自己資本比率 ⇒安全性
- 売上および利益の年平均成長率 ⇒成長性
これら指標は、マネックス証券の銘柄スカウターを使うと簡単に調べたり、銘柄間で比較したりすることが可能です。マネックス証券に口座開設をする必要がありますが、無料でできますので、個別株投資の有用ツールとしてご利用を検討してみてはいかがでしょうか。ご興味ありましたら以下URLからどうぞ。
日本株銘柄分析ツール マネックス銘柄スカウター | 情報ツール | 投資情報 | マネックス証券 (monex.co.jp)
では、それぞれ見ていきたいと思います。
ピックルスvs 時価総額トップ3
まずは食料品セクターの時価総額トップ3との比較です。エントリーは以下3社。
- 味の素
- キッコーマン
- ヤクルト本社
誰もが知る有名企業ですね。食料品セクターのメーカーは実際にその企業の商品を使ったり、TVCMなどで見たりすることも多くなじみ深い銘柄が多いですね。上から世界No.1のアミノ酸メーカー、しょうゆ世界トップ、唯一無二「ヤクルト」の会社と説明不要ですね。そんな大企業とピックルスの比較が以下になります。
自分の投資判断に影響はしませんが、時価総額ベースで100倍、売上ベースで10倍の差があります。各利益率はピックルスが低く、ここは同社の課題でもあります。驚いたのは、ヤクルト本社の粗利益率の高さです。60%近い粗利益率は、同社ビジネスの付加価値の高さを表していますね。
ROICおよび利益成長率はピックルスに分がありますね。またPERも断トツで安い。僕がピックルスを評価している理由がここにあります(割安で成長性、効率性が高い)。
ピックルス以外では、粗利益率の高さでヤクルト本社、バランスでキッコーマンは投資対象として興味が持てますね。
ピックルスvs加工食品メーカー
続いて加工食品メーカー3社との比較です。漬物=広義で加工食品と置いてみました。また、ピックルスの売上の約半分を占める惣菜事業での競合も含めて、独断と偏見で選んだ3社が以下。
- キューピー
- フジッコ
- 永谷園
マヨネーズ主力で卵加工のキューピー、昆布・豆の加工食品を主力とするフジッコ、ニッチな食卓食品を主力とする永谷園を選びました。フジッコは昆布・豆と言う比較的地味な商品構成、それから惣菜事業も行っていることからピックルスとイメージが被りますね。そんな3社との比較が以下です。
ピックルスは時価総額、売上から見る会社規模は最少、粗利益率も低いですね。粗利益率の改善は同社の課題と言えますね。一方で営業利益率で見ると優秀な部類です。ROICおよび利益成長率も断トツで良い。PER的にもかなり割安です。
指標的にはピックルス以外に買いたい銘柄は無いですね。
ピックルスvs野菜関連メーカー
最後に、主力製品が野菜関連のメーカーです。こちらも独断と偏見で選んだ以下3社と比較します。
- カゴメ
- サカタのタネ
- 雪国まいたけ
トマトで有名なカゴメは、自社でトマト生産も行う垂直統合型の事業モデルを推進しています。実はピックルスも農業事業を始めており、ここは被る所。サカタのタネはブロッコリーの世界シェア65%を誇る種苗メーカー、雪国まいたけは社名の通りまいたけトップの会社ですね。
やはりピックルスは時価総額、売上から見る会社規模は最少、粗利益率も低いですね。営業利益率も低い水準です。ROICは雪国まいたけに劣りますが、自己資本比率、売上および利益成長率を考えるとピックルスの優秀さが際立ちます。この中で投資先として興味を持ったのは、サカタのタネ。
まとめ
落ちるナイフ状態のピックルスコーポレーションを食料品業界の他者と比較してみました。結論としては以下になります。
- 収益性(特に粗利益率)は改善の必要あり
- 効率性、成長性は優秀
- 割安さは断トツ
最後までご覧頂き有難うございました。
ピックルスコーポレーションは割安成長株として主力候補としている銘柄です。