こんにちは。
今回は、保有株であるMCJ(6670)の決算内容を振り返りたいと思います。バリューグロース株と言うことで主力の一角として買い増しを進めている銘柄です。
MCJについて
MCJは、BTO(Build to Order、受注生産)方式によりパソコンを製造・販売する総合IT企業です。「マウス」ブランドで有名。在庫ロスの削減、顧客ニーズへの細やかな対応と言った強みをハイスペックPCに代表されるニッチ市場で活かすことで成長しています。直近5年の最終利益のCAGR(年平均成長率)は13%とPER1ケタ台のバリュー株にしては高い業績成長が魅力です。今後もこの利益成長が続いたとして、72の法則(72÷複利運用利回り(%)=資産が2倍になるまでの期間(年))に当てはまれば、5.5年で最終利益が2倍になる計算です。また成長性だけでなくROE:16.9%、ROIC:19.0%と資本効率も優秀で、自己資本比率61.3%と財務面でも心配はないと思います(22.3期の実績)。
マイナーとも言える東証スタンダード市場上場の企業です。新市場区分への再編において「プライム市場」への昇格が期待されていましたが、「スタンダード市場」を選択し、一時株価は大きく下落しました。なお、今般発表された新中計では「プライム昇格」を目指すとしていますし、個人的には(業績成長が続く前提で)一時的な材料による短期的な下落はむしろ買い場と考えており、少しずつ買い増しを進めている所です。各種指標については以下の通りです(マネックス証券「銘柄スカウター」調べ)。
- 株価:980円、PER:9.4倍、配当利回り:3.37%(9期連続増配)
- 粗利率:21.0%、営業利益率:7.0%
- ROE:16.89%、ROIC:12.94%
- 自己資本比率:61.3%
- 売上CAGR:12.0%、最終利益CAGR:13.0%(いずれも5年平均)
23.3期 1Q決算内容
では、決算を見ていきましょう。
22.3期本決算
売上+8.9%、営業利益−12.5%、最終利益−20.7%
増収も二桁減益のスタートとなりました。
なお、業績を理解する前提として以下の業績押し下げ要因(外部要因)があったことが会社資料から読み取れます。
- 前年にあった特需の反動減による軟調な市場環境(PC出荷台数13.5%減)
- 急激な円安の進行等による原材料・部材価格の高騰、サプライチェーンの混乱
以上を踏まえて業績を深掘りしてみます。
売上は過去最高を更新。市場全体が前年にあった特需の反動減により軟調に推移する中では立派な数字だと思います。
営業利益は減益も、原材料・部材価格の高騰やサプライチェーンの混乱によるマイナスインパクトがあった中で期初想定を上回る水準を確保。営業利益率8.1%も、同社がKPIとして設定する営業利益率7%を上回っており悪くない印象。この様な環境下でも戦略費用を増加させている点は好印象。特に1Qは前年同期のハードルが高かった様なので、健闘した方ではないかと見ています。
上期予想に対する進捗率は、売上:54.7%、営業利益:61.4%。最終利益:56.9%と期初想定に対しては順調に推移しているとのこと。
23.3期 業績見通し
23.3期通期業績(予想)
売上+0.9%、営業利益+10.2%、最終利益+9.9%
EPS:103.99円、1株配当:33円(配当性向31.8%)
通期見通しに変更なし。
減益スタートとなりましたが、前年同期のハードルが高かった1Qを無難に乗り切れたことで、通期での増益が現実味を帯びてきました。配当は1円増配の33円、10期連続増配を目指します。
まとめ
MCJの23.3期1Q決算まとめです。
- 23.3期1Qは増収も二桁減益、ただし上期業績予想に対する進捗率は順調に推移
- 通期業績見通しは変更なし、10期連続増配を計画
なお、今中計期間中(23.3~25.3期)にプライム市場に向けた上場準備をすることを公言しており、いつかサプライズあるかもですね。まあ、ここは期待し過ぎずに待っておきたいと思います。まだまだ買い増したい銘柄ですので・・・
以上、MCJの本決算レビューでした。
最後までご覧頂き有難うございました。
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