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【銘柄分析】第3回 全国保証(7164)

こんにちは。

新年を機に始めた、僕が投資している(または投資したい)と考えている銘柄を中心に紹介する銘柄分析シリーズ。第3回目の今回は、全国保証(7164)を取り上げてみたいと思います。読者の皆様の銘柄スクリーニングのご参考になれば幸いです。

銘柄概要

全国保証は、独立系の信用保証最大手の会社で、主力は住宅ローン保証です。時価総額は3,321億円とまずまず大きな会社です。

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上は全国保証ウェブサイトより引用した、住宅ローン保証ビジネスの概略図です。同社が住宅ローンを保証することにより、借入人は信用度がアップして借りやすくなり、仮に返済不能(デフォルト)になった際には同社が肩代わり(代位弁済)するため、金融機関にとっては回収不能リスクを回避することができます。同社は借入人からの手数料で収益を上げていますが、いわゆる在庫に当たるものがほぼ存在しないため、利益率が非常に高いです。借入人、金融機関、そして全国保証と、まさしく三方善しのビジネスモデルです。

住宅ローン保証業務を行う会社は他にもありますが、その多くは特定の金融機関に属しています。全国保証は金融機関に属さない独立系で、提携先や商品設計の豊富さが特長となっています。同業他社との差別化ができており、過去に積み上げてきた「実績」と「信用」で商売しているので、それなりの参入障壁の高さはあるものと思われます。

業績 

売上、営業利益、当期純利益の推移です。

売上、営業利益、当期純利益いずれも綺麗な右肩上がりです。ここ10年間(2011年⇒2020年)で売上高は2倍以上(217億円⇒452億円)、当期純利益は8倍以上(28億円⇒244億円)、下のグラフには表れていませんが、EPS(1株当たりの利益)も7倍以上(49.24円⇒355.17円)に伸びています。売上、利益ともに成長力は非常に高いです。

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SBI証券より

 

営業利益率とROEの推移です。2015年以降は営業利益率75%以上、ROE17%以上と驚異の高水準です。ROEは徐々に低下傾向にありますが、自己資本比率が増えてきていることも関係しているので、特段問題無い様に思います。とにかく、稼ぐ力が非常に高いです。営業利益率75%は半端ないです。

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SBI証券より

 

財務

自己資本比率は10年前の15.9%から2020年38.9%まで徐々に増やしてきています。自己資本比率40%以上あれば優良と言われる所、あと一歩の水準です。利益剰余金は着実に積み上がっており、有利子負債の額を上回っています(利益剰余金:1372億円、有利子負債:300億円)

キャッシュ・フローの推移です。概ねフリーCFがプラスで推移しており、現金・現金等価物は長期的に増加しています。財務も問題無いと思います。

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SBI証券より

株主還元

「安定継続した配当方針」を掲げています。

配当実績は、2012年の上場来8期連続の増配、配当金は20倍以上に増加しており素晴らしいですね。これまでは増配率が10%以上の年もざらにあり、急速に配当金が増えていってます。配当性向を徐々に引き上げており、20年実績が27%、21年以降の計画として30%⇒33%⇒35%と更に引き上げる計画です。とは言え、まだ配当性向30%台なので無理して配当を出している様な水準ではありません。

EPSの上昇に加え、配当性向の引上げにより、まだまだ増配は可能と思います。

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SBI証券より

 
株価指標

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株探より

 

株価:4,590円(2021年1月14日終値)
PER:12.24倍
PBR:2.13倍
配当:111円(配当利回り:2.42%)

PER的にはやや割安、PBR的には割高です。連続増配中なので、将来的な高配当株として、長期目線ではいつ仕込んでも良い様に思います。

ただ、業績も配当も上昇トレンドにあるものの株価は伸びていません。故にリスクがあると言うのが市場の評価なのかなとも思います。やはり、同社にとって痛手はデフォルト率が上がることで代位弁済の額が嵩んでくること。不況⇒失業⇒デフォルトの増加、と言うワースト・シナリオは常に意識される所です。特に昨年3月のコロナショックの真っただ中で株価が45%ぐらい下落しており、大きく売られています。

総評

業績面は成長力、収益性ともに素晴らしいです。コロナの影響も今の所は顕在化していません。

財務面は今後の推移を見ていく必要はあるものの徐々に良化してきています。現状で問題ないと思います。

株主還元についても連続増配中で、今後もEPSの伸びに加えて配当性向を引き上げつつ増配を継続していく形に見えます。個人的には配当利回り3%ぐらいで狙いたい銘柄ではありますが、今のトレンド(増収増益、増配)が今後も続くと仮定すると、数年後には高配当化している可能性が高いです。

最も注意すべきことはデフォルト率の増加です。今後の動向には注視する必要はあると思います。どんな銘柄でも多かれ少なかれリスクはあると思いますが、景気に敏感な側面が強い銘柄だとは思います。

 

以上、ご参考になりましたら幸いです。

最後までご覧頂き有難うございました。

 

全国保証は今年こそ買いたい株の1つです。

www.loveyuyu-dividend.com