ブリヂストン21.12本決算レビュー
こんにちは。今回は保有株ブリヂストン（5108）の本決算レビューです。
最近は投資対象を中小型バリューグロース株にシフトしつつありますが、ポートフォリオ全体の配当利回りを上げるため、大型高配当株への投資も継続して行うつもりです。シクリカル銘柄への投資は暴落して高配当化した時が逆張りの好機だったりする訳ですが、苦しい時にも安心して保有できる業界で首位級のポジションを持つ財務優良銘柄への投資を基本としています。
ブリヂストンはタイヤ世界首位級の会社です。シクリカルであるものの業界で首位級のポジションを持つ財務優良銘柄と言って良いかと思います。コロナ暴落直前の2020年1月に投資したのが記憶に新しいです。程無くしてコロナショックによる暴落で大幅な含み損、赤字転落、減配と散々な1年でしたが、損切りせずに保有を続けてきました。減配はしたものの無配にならなかったこともありますが、自己資本比率50％超の好財務企業と言うのがグリップし続けるのには大きかったです。リスクが顕在化した時や苦しい時でも乗り切っていけるだけの財務基盤を持っている安心感は特に景気敏感株の場合は大切だなと改めて思います。逃げ遅れた時に焦らなくて済みます（実際は焦るけど）。
決算概要
さて21.12期本決算の概要です。同社説明資料を以下に引用します。
ブリヂストン「2021年度 決算説明スライド」より
売上＋20.4％、調整後営業利益＋90.1％、最終利益 黒転
EPS：559.56円、配当：170円（配当性向30.4％）
現在、事業ポートフォリオ再編を進めており、これにより事業譲渡が決定された3事業が「非継続事業」に分類されています。売上収益および調整後営業利益は「非継続事業」を除く「継続事業」のみの比較となっていますが、大幅な増収増益です。最終利益は黒字転換。めでたくコロナ禍からのV字回復となりました。調整後営業利益率12.1%、ROE12.9%と収益性を表す指標もコロナ前の水準まで回復してきました。これが本来の実力でしょう。好財務に加えて収益性が高いのが同社の魅力です。
続いて、今期の業績見通しです。
ブリヂストン「2021年度 決算説明スライド」より
売上＋12.4％、調整後営業利益＋7.8％、最終利益−28.9%
通期EPS（予想）：397.58円、配当：170円（配当性向42.8％）
増収減益の予想。
最終利益に関しては、「継続事業」が横ばいも「非継続事業」のマイナスが大きく影響しています。調整後営業利益ベースでは増益となっており、事業譲渡・撤退に伴い最終利益はイレギュラーな数値となっていると考えれば問題無い様に思います。
配当予想は据え置きの170円。配当性向40％ちょっとですので、こちらも問題ないと見ています。増配を期待したい所ですが、どうでしょうか？
最後に、同社が進める事業ポートフォリオ再編についてのトピックスです。
ブリヂストン「中期事業計画（2021-2023）進捗 加工品・多角化事業について」より
収益力が低下してきた化工品事業のうち防振ゴム・化成品ソリューション事業などを売却、更に大幅な拠点再編も行っています。上のスライドから、ポートフォリオ再編は2022年中には完了すると見ることができます。大胆に再編を行い選択と集中を進め、コア・コンピタンス（＝競合他社を圧倒的に上回る中核となる強み）が生きる事業に経営資源を集中させて付加価値を高めていくと言うことですね。2026年のKPIですが、規模拡大に走らず収益性を高めようとの意図が垣間見えて好感を持ちます。ROICが示されているのも良いですね。
保有する大型株の中でも、最近はBS経営（ポートフォリオ経営）を推進する銘柄が増えてきた様に思います。石化・石炭事業の分離を発表した三菱ケミカルHD（4188）は外国人社長に変わってBS経営への転換が明確になりましたし、キリンHD（2503）もそうです。
- 小さなBSで大きく稼ぐ
- 規模よりも収益性
こんな銘柄が評価される訳ですね。
以上、最後までご覧頂き有難うございました。
