はじめに
こんにちは。
中小型株を中心に保有株の決算レビューを書いていますが、銘柄数が増えるにつれて記事数も多くなってきます。加えてゴールデンウィーク、FP3級の勉強、コロナ感染・・・など挟んで記事更新をサボった影響で少し遅れてのレビューとなります。鮮度は落ちますが、引き続きお付き合い頂けますと幸いです。
今回は、鉄壁の財務を誇る高配当株で、営業CF>>投資CFとキャッシュがザクザク貯まるビジネス構造が魅力のアサンテ(6073)の決算レビューです。コロナ禍の影響を受けて厳しい状況が続いていますが、復活はいつでしょうか?
アサンテについて
住宅用シロアリ防除でトップの会社です。
同社資料からキーワードをピックアップすると、以下の魅力が見えてきます。
- 既存住宅の長寿命化を進めたい「国策」のとの親和性
- それに伴い住宅メンテナンス市場は「莫大な潜在需要」を有している
- コロナ禍によって加速したテレワークや地方移住など、アフターコロナの顧客意識の変化も同社にとって追い風
関東地盤ですが徐々に西日本にもビジネス範囲を拡大しており更なる成長に期待したいです。地方では特に影響力の大きいJA(農協)との提携も業績拡大を後押しするでしょう。
シロアリ駆除は地味な業界に見えますが、潤沢なキャッシュを生かして未進出地域への拠点開設やM&Aによる事業エリア拡大による成長余地があります。またプレイヤーの多くが地場の小さい会社であり、それ故に参入障壁を築き易いのではないかとも思います。
業種や成長の方向性は米国最大の害虫駆除会社ローリンズ(ROL)と類似しています。ローリンズについては、米国株投資のパイオニア、たぱぞうさんのブログで紹介されていましたので以下に紹介します。
ローリンズ【ROL】の銘柄分析、米国最大の駆除会社 - たぱぞうの米国株投資 (americakabu.com)
決算概要
22.3期の本決算概要です。以下、同社決算説明資料を引用します。
アサンテ「2022年3月期 決算説明資料」より
22.3期(実績)
売上-1.2%、営業利益−17.3%、最終利益−45.5%
EPS:52.82円、1株配当:62円(配当性向:117.4%)
減収、そして大幅な減益となりました。
期中に業績の下方修正がありましたし、月次を見ていても厳しいだろうことは想定していました。加えて買収したハートフルホームののれんの減損損失の影響もあり、最終利益が大きく落ち込みました。一方で配当は2円増配の62円。配当性向は100%を超えてのタコ足配当となっており危険水準です。
23.3期業績見通し
続いて23.3期業績見通しです。
アサンテ「2022年3月期 決算説明資料」より
売上+4.5%、営業利益+11.1%、最終利益+64.8%
EPS:86.95円、1株配当:62円(配当性向:71.3%)
増収増益の見通しですが、コロナ前の水準までは戻らない予想です。なかなか厳しいですね。
配当予想は前年維持の62円。配当性向は70%超とかなり高くなっており、更なる増配は厳しい水準と言えそうです。ただ、ここは上場以来減配をすることなく長期的に増配トレンドにあります。配当性向がジワジワ上がっているのが気になる所ですが、潤沢なキャッシュ、上場来非減配の実績を考えると、配当維持は可能では無いかと言うのが個人的な見立てです。ただ、業績回復が見通せるまでは買い増ししにくい状況かなとも思っており、悩ましい状況です。
アサンテ「2022年3月期 決算説明資料」より
まとめ
アサンテの決算まとめです。
- 22.3期はコロナ影響大きく減収、大幅減益も増配(タコ足配当)
- 23.3期見通しは増収増益もコロナ前の水準までは届かず
- 潤沢なキャッシュ、上場来非減配の実績を考えると今期の配当維持は可能ではないか
以上、アサンテの決算レビューでした。
最後までご覧頂きありがとうございました。
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